本研究は、2mT, 60Hzの電磁界(EMF)が細胞の構造と機能を変化させるかどうかを調べた。4つの細胞株:hFOB 1.19、T/G HA-VSMC、RPMI 7666とHCN-2でEMFの影響を比較した。14日間、細胞をEMFに1日当たり1、3、16時間ばく露させた。結果として、EMFばく露への応答は細胞特異性が見られた。加えて、細胞の応答は、EMFばく露期間に依存していた。本研究では、細胞繁殖はEMFに最も敏感な特徴であることが示されている。hFOB 1.19 とHCN-2を培養7,14日に対照細胞と比較した。ばく露が3時間/日の場合、EMFはRPMI7666の繁殖を増加させたが、T/G HA- VSMCは抑制した。一方、細胞周期、細胞分化、アクチンの分布へのEMFの影響は、明確ではなかった。さらに、EMFばく露と細胞間伝達のギャップ接合との関係は、hFOB 1.19では殆ど見られなかった。このような結果から、EMFは細胞分化を操作するツールとして使える可能性がある。
得られたデータは、電磁界ばく露に対する細胞のタイプに固有の応答を示した。加えて、細胞応答はばく露時間に依存していた。
インキュベーション7日目及び14日目の対照群と比較して、電磁界処理はヒト胎児骨芽細胞及びヒト皮質神経細胞の成長を促進した。ばく露時間が3時間/日の場合、Bリンパ芽球の増殖は増加したが、平滑筋細胞の増殖は減少した。
他方、細胞周期分布、細胞分化、細胞のアクチンフィラメント分布に対する電磁界の影響は依然として不明である。更に、ギャップ結合細胞間情報伝達に対する電磁界ばく露の影響は認められなかった。
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