この研究は、著者らがマイクロインジェクション法を用いて行った先行研究の知見(超低周波(ELF)磁界(MF)はギャップ結合細胞間コミュニケーション(GJIC)を阻害し、また、12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(TPA)によるGJIC抑制を強化する)を前提に、ELF MFによるGJIC阻害とその閾値について、光退色後蛍光回復(FRAP)法を用いて詳細に調べた。なお、GJICの阻害は、発がんの多段階プロセスにおける重要なイベントである。その結果、FRAP法はマイクロインジェクション法よりもGJICの変化の検出に敏感であり、50 Hz MFによるGJIC抑制の閾値レベルは0.4 mTであることが示された;さらに、0.2 mT、または0.2 mTを超えるELFは、TPAによって誘発されるGJIC阻害を強化した;したがって、MFはがんプロモーターとして作用するか、他のがんプロモーターと相乗作用する可能性があるとの結論を得た、と報告している。
本研究は、先行研究(publication 387)の拡張版である。異なる強度の磁界(単独または5ng/mlのTPAとの組合せ)の影響を調査した。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 24 h |
ばく露の発生源/構造 |
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チャンバの詳細 | Incubator |
ばく露装置の詳細 | Culture dishes placed coaxially to the centerline in the center area of the coils. |
Additional information | MF perpendicular to the diameter of the dishes. |
データは、ギャップ結合細胞間情報伝達の阻害の変化を測定する上で、本研究で用いたFRAP技法は、先行研究で用いた熱転写アッセイよりも敏感であることを示した。50Hz磁界によるギャップ結合細胞間情報伝達の抑制に対する閾値レベルは0.4mTであった。加えて、0.2mT(または0.2mT以上)の磁界は、TPAによって生じたギャップ結合細胞間情報伝達の阻害を増強し得る。
著者らは、磁界はがんプロモータとして作用する、または他のがんプロモータと相乗効果を発揮するかも知れない、と結論付けている。
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