この研究は、超低周波(ELF)磁界へのばく露がCa(v)1チャネル機能を調節することによって、新生仔マウス脳皮質から単離された神経幹細胞(NSC)のニューロン分化に影響を与えるか否かを調べた。ELF磁界(1 mT、50 Hz)のばく露を受けた分化中の培養NSCでは、ニューロンマーカ(β-III-チューブリン、MAP2)およびCa(v)1.2およびCa(v)1.3チャネルに免疫反応性を示す細胞の割合が顕著に増加した。ELF磁界ばく露を受けた培養においてNSCに分化したニューロンは、自発発火、KCl刺激に応答したCa2+トランジェントを示す細胞の割合、このCa2+トランジェントの振幅、およびCa(v)1チャネルの活性化で生じるCa2+電流の振幅の有意な増加を示した。Ca(v)1チャネルブロッカーであるニフェジピン(5 μM)を培地に添加すると、NSC分化ニューロンの収量は有意に減少し、ELF磁界ばく露がβ-III-チューブリンおよびMAP2への免疫反応性を示す細胞の割合の有意な増加をもたらさなくなった。対照的に、グルタミン酸受容体拮抗薬またはCa(v)2.1およびCa(v)2.2チャネル遮断薬の存在下でNSCが培養された場合、ELF磁界ばく露の効果は保存された。以上のような知見は、ELF磁界ばく露がCa(v)1チャネルの発現と機能を上昇させることで、NSCの神経分化を促進することを示唆している、と報告している。
神経分化に対する細胞膜を通じたCa2+シグナルの影響を調べるため、以下の成分を培地に添加した:選択的カルシウムチャネル(Cav1)阻害剤、ニフェジピン;非選択的カルシウムチャネル(Cav2.2及びCav2.1)阻害剤、VコノトキシンMVIIC;Ca2+透過性のイオンチャネル型グルタミン酸受容体拮抗薬CNQX及びD-AP5の混合物。
ばく露 | パラメータ |
---|---|
ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for up to 12 days
|
|
データは、神経幹細胞/前駆細胞の分化の神経細胞収量は、超低周波電磁界刺激によって有意に増加したこと、及び、この影響はばく露によるカルシウムチャネル(Cav1)発現及び活性の上方制御に依存することを示した。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。