この研究は、骨粗鬆症を遅らせ、骨折の治癒を促進することを目的に臨床応用されている電磁界(EMF)について、その作用メカニズムと最適なパラメータを検討するために、ラット骨芽細胞を用いた実験を行った。新生仔ラットから単離された骨芽細胞に、50 Hz正弦波電磁界ばく露を、さまざまな磁束密度(0.9 - 4.8 mTの範囲で0.3 mT刻み)とばく露時間(1日30分間で、最大15日間、または連続で12、24、96時間の単回ばく露)で与え、骨芽細胞の増殖、分化、および石灰化への影響を調べた。比較のために未処理対照群を用いた。その結果、3日間の磁界ばく露群において、対照群に比べ、骨芽細胞の増殖が抑制された;9日間ばく露群において、アルカリホスファターゼ(ALP)活性がばく露レベルに応じて変化した(0.9 mTから1.8 mTでは増加、1.8 mTから3.0 mTでは減少、その後3.0 mTから3.6 mTで再び増加、3.6mTから4.8mTで再び減少した); 8日間ばく露群でのALP陽性染色されたコロニーの数、および10日間ばく露群でのアリザリンレッド染色された石灰化結節が、ALP活性と同様の二峰性の傾向を示し、1.8mTと3.6mTに2つの増加のピークがあらわれた;12、24、および96時間ばく露後の骨芽細胞において、Runx-2、Col1alpha2、およびBmp-2mRNA発現レベルが二峰性の増加を示した、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 30 min/day for up to 15 days (see add. information)
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ばく露2:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 0, 12, 24, 96 h
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 30 min/day for up to 15 days (see add. information) |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | solenoid consisting of three cascade connected coils with an acrylic tube (inner diameter = 18 cm, height = 21 cm) as a common core; the number of windings of enamel copper wire in the middle coil was less than those in the bilateral coils; field homogeneous within 1% for an area of 30 mm to -30 mm from the horizontal and 20 mm to -20 mm from the vertical axis; solenoid positioned in an incubator at 37°C with 5 % CO2 and 100 % humidity; osteoblasts placed in 60 mm culture dishes inside the solenoid |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
Additional information | t = 30 min/day for 3 days - for MTT assay t = 30 min/day for 3, 6, 9, 12 or 15 days - for alkaline phosphatase (ALP) activity t = 30 min/day for 8 days - for ALP histochemical staining t = 30 min/day for 10 days - for Alizarin red staining t = 30 min/day for 5, 8 or 10 days - for morphology of osteoblasts |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 0, 12, 24, 96 h |
Additional information | RT-PCR |
ばく露の発生源/構造 |
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Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 4.8 mT | maximum | - | - | 0.9, 1.2, 1.5, 1.8, 2.1, 2.4, 2.7, 3.0, 3.3, 3.6, 3.9, 4.2, 4.5, 4.8 mT |
正弦波電磁界ばく露は非処理対照と比較して、骨芽細胞の増殖を抑制した(3日間のばく露後;量-反応影響はなかった)が、アルカリホスファターゼ酵素活性を0.9mT-1.8mTで上昇、1.8mT-3mTで低下、3mT-3.6mTで再び上昇、3.6mT-4.8mTで再び低下させた(9日間のばく露後)。8日後のアルカリホスファターゼ陽性に染色したコロニーの数、及び10日後にミネラル化した結節の数は、アルカリホスファターゼ酵素活性と同じ二峰性の傾向を示し、その2つのピークは1.8mTと3.6mTであった。
正弦波電磁界は、ばく露の12、24、及び96時間後の異なる遺伝子発現のレベルにも、二峰性の上昇を生じた。
このデータは、50Hz正弦波電磁界へのばく露は骨芽細胞の増殖を抑制する一方、1.8mT及び3.6mTでピーク活性となる強度依存的な形で、骨芽細胞の分化及びミネラル化ポテンシャルを有意にプロモートすることを示した。
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