この研究は、P19胚性がん細胞(P19細胞)の神経分化プロセスに対する超低周波磁界(ELF-MF)ばく露(1mTまたは10mT、50 Hz、正弦波)の影響を調べた。ELF-MFばく露は、分化誘導中の胚様体(EB)に与えた。神経分化が生じた後に、ELF-MFの効果を評価した。評価方法には、形態分析、免疫化学的分析(MAP2、GFAP)の他に、発達中の神経ネットワーク活動を記録する微小電極アレイ(MEA)法を用いた。その結果、10 mT ELF-MFばく露群において、MAP2陽性細胞の割合とスパイク頻度が増加し、GFAP陽性細胞の割合が減少した;ただし、これらの影響は1mTのばく露群では見られなかった;以上の知見は、神経分化の特性および機能的なニューロンネットワークの性質に影響を与えるためには、磁界の強度が重要であることを示唆している、と報告している。
このデータは、10mTの超低周波磁界にばく露した胚様体の大きさが、非ばく露の胚様体よりも有意に減少することを示している。神経細胞の細胞分化率及び機能的神経ネットワーク活性も、10mT磁界ばく露によって有意に変化した:平面培養後の14日目及び21日目に、MAP2-陽性細胞の比率が上昇し、GFAP陽性細胞は低下した。加えて、この期間には自発的な電気的活動のスパイク周波数とアクティブな電極(即ち、活動電位を検出した電極)も増加した。但し、これらの影響は1mTばく露細胞には見られなかった。
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