この研究は、50 Hzおよび1 mTの磁界ばく露(最長7日間)が、ヒト神経芽腫細胞株LAN-5のアポトーシスおよび増殖に影響を与えるか否かを調べた。アポトーシス誘導は、TUNELアッセイおよびポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)発現分析により評価した。長期ばく露における増殖指数は、WST-1アッセイにより算出した。その結果、プログラムされた細胞死を起こす細胞の能力には、ばく露による変化は見られなかった;7日間の連続ばく露後に増殖指数のわずかな増加が見られた;5日間のばく露後に、B-mybがん遺伝子発現のわずかで一時的な増加が検出された;細胞分化因子であるレチノイン酸、アポトーシス誘導物質カンプトテシンなどの化学物質のばく露に磁界ばく露を組み合わせた場合、LAN-5細胞の分化への拮抗効果、アポトーシスへの保護効果が見られた、と報告している。
陽性対照にはエックス線照射細胞を用いた。
更に、細胞増殖阻害剤との干渉を調査するため、電磁界と化学物質(増殖抑制剤のレチノイン酸、トポイソメラーゼ阻害剤のカンプトテシン)に細胞を共ばく露した。カンプトテシンを異なる5つの濃度(6、12、25、50、100ng/ml)で適用した。
ばく露 | パラメータ |
---|---|
ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 7 days
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7日間の連続ばく露後に、アポトーシスに変化は認められなかったが、増殖指数の有意な上昇が認められた。
また、5日間のばく露後に、B-myb発がん遺伝子の発現の僅かな一過性の増加が検出された。ばく露期間全体を通じて、N-mycの発現には変化は認められなかった。
対照群(通常の成長条件)と比較して、レチノイン酸処理群では細胞増殖は低下した。偽ばく露と比較して、3日間の電磁界ばく露後にこの低下は有意に阻害された。
対照群(カンプトテシン処理なし)と比較して、カンプトテシンで処理した細胞の増殖は低下した。電磁界への1日のばく露後、ばく露群では偽ばく露群と比較して、増殖率が有意に高かった。加えて、電磁界は濃度25及び50ng/mlのカンプトテシンによるアポトーシスを阻害した。
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