研究のタイプ: 工学技術/ドシメトリの研究 (experimental study)

[培養アストログリア細胞の細胞骨格、ストレスタンパク質、および増殖に対する1mT磁界ばく露の急性および慢性影響] med./bio.

Acute and chronic effects of exposure to a 1-mT magnetic field on the cytoskeleton, stress proteins, and proliferation of astroglial cells in culture

掲載誌: Environ Res 2005; 98 (3): 355-362

この研究は、培養アストログリア細胞に対する静磁界正弦波(50 Hz磁界、および静/正弦波の組み合わせ磁界へのばく露の影響を調べた。コンフルエント(非常に接近・密集した状態)の初代培養アストログリア細胞に、1 mTの正弦波磁界静磁界、または組み合わせ磁界への1時間ばく露を与えた。2番目の実験として、細胞に1時間、2時間、および4時間の組み合わせ磁界ばく露を与えた。この2つの実験ではばく露終了の24時間後にアストログリア細胞のhsp25、hsp60、hsp70アクチン、およびグリア線維性酸性タンパク質の含有量を免疫ブロット法により測定した。その結果、これらのタンパク質の含有量に関して、対照細胞ばく露細胞の間に有意な差は見られず、細胞形態の変化も観察されなかった。3番目の実験として、1 mTの静/正弦波の組み合わせ磁界への慢性ばく露(11日間)が培養アストログリア細胞の増殖に与える影響を調べた。その結果、対照群擬似ばく露群、ばく露群の間に有意差は見られなかった。以上の知見は、1 mTの正弦波静磁界、または組み合わせ磁界へのばく露が、培養アストログリア細胞でのストレス細胞骨格タンパク質レベル、またはその増殖有意な影響を及ぼさないことを示す、と報告している。

研究目的(著者による)

培地の星状膠細胞に対する磁界へのばく露の影響を調べること。

詳細情報

1) 1mTの正弦波磁界または静磁界、あるいは複合磁界への1時間のばく露後、ストレスタンパク質HSP25、HSP60及びHSP70、ならびに細胞骨格タンパク質アクチン及びGFAPのレベルを判定した。2) 静磁界正弦波磁界への1、2及び4時間の複合ばく露後のタンパク質への影響を調べた。3) 培養した星状膠細胞の増殖に対する複合磁界への慢性(11日間)ばく露の影響を調査した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1:
  • DC/static
ばく露時間: continuous for 1 h
Exposure to DC field
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 1 h
Combination of AC and DC field
ばく露3: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 1 h, 2 h and 4 h
Combination of AC and DC field
ばく露4: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 11 days
Chronic exposure

ばく露1

主たる特性
周波数
  • DC/static
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 1 h
Additional information Exposure to DC field
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 pair of coils inside an incubator
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT - 測定値 - DC

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 1 h
Additional information Combination of AC and DC field
Additional information + DC of the same magnitude
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT effective value 測定値 - AC for experiment 1
磁束密度 1 mT - 測定値 - DC for experiment 2
磁束密度 1 mT effective value 測定値 - AC + 1 mT DC for experiment 3

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 1 h, 2 h and 4 h
Additional information Combination of AC and DC field
Additional information + DC of the same magnitude
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT effective value 測定値 - AC
磁束密度 1 mT - 測定値 - DC

ばく露4

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 11 days
Additional information Chronic exposure
Additional information + DC of the same magnitude
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
ばく露装置の詳細 field perpendicular to the flask base
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT effective value 測定値 - AC
磁束密度 1 mT - 測定値 - DC

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

結果は、正弦波磁界静磁界または複合磁界(1mT)へのばく露には、細胞骨格及びストレスタンパク質、または培地での星状膠細胞の増殖に対する有意な影響はないことを示唆している。

研究の種別:

研究助成

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