この研究は、初代ヒト破骨細胞前駆細胞から単離された初代破骨細胞培養に対する静磁界(SMF)およびパルス電磁界(PEMF)のばく露の影響を調べた。SMFばく露は、植え込み脊椎金属デバイスによって生成されるものと同じ程度の磁束密度(0.9 μT)で、PEMFのばく露は、偽関節の臨床処置に使用される程度の磁束密度(0.4 mT)で、どちらも連続して7、10、14日間実施された。ばく露終了後に、細胞の形態学的検査および酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)活性測定を行った。その結果、SMFへの7および10日間ばく露群では、擬似ばく露対照群に比べ、ばく露後に、より分化が進行した表現型を示し、有意に高いTRAP活性を示した;PEMFへの7日間ばく露群では、擬似ばく露対照群に比べ、分化度が低い表現型を示したが、どのばく露期間の場合も、TRAP活性には擬似ばく露対照群と有意差がなかった;以上から、植え込み脊椎デバイスの周りに生成される強度のSMFが破骨細胞の分化と活性に、偽関節治療に用いられる程度の強度のPEMFが破骨細胞の分化に、それぞれ影響を与える可能性が示された、と報告している。
脊髄金属(チタン)機器の周辺に生じる静磁界が、人工関節周囲の骨溶解に影響力を及ぼし、骨芽細胞だけでなく破骨細胞の機能を変調させ得るかどうかを調べること。加えて、癒着不能の臨床実践に通常用いられているパルス電磁界が破骨細胞の分化と活性に影響し得るかどうかを調査した。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 7, 10 or 14 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | 30 cm long solenoid with a diameter of 15 cm and 45 turns of 20 gauge magnetic wire placed in an incubator with 100% humidity and a temperature of 37°C; field uniform inside the solenoid |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 0.4 mT | - | - | - | - |
静磁界ばく露細胞は、偽ばく露細胞と比較して、ばく露の7及び10日後に、より分化が進んだ表現型、より多くの分化した細胞、有意に高いTRAP酵素活性を示した。パルス電磁界ばく露細胞では、偽ばく露対照群と比較して、分化が進んでいない表現型が見られた(ばく露の10及び14日後には差はなかった)が、いずれの観察時点でも、ばく露細胞と対照細胞でのTRAP酵素活性に統計的有意差は見られなかった。
この知見は、脊髄機器の周囲で生じるものと同じ強度の静磁界は破骨細胞の分化と活性に影響し得ることを示した。チタニウムインプラントの周囲での無菌性の弛緩は、部分的には破骨細胞の活性の上昇と細胞分化によるものかも知れない。癒着不能の管理に用いられるものと同じ強度のパルス電磁界は、ばく露の7日後の破骨細胞の表現型に影響を及ぼし得るが、破骨細胞のTRAP酵素活性はこの種の電磁界によって影響されない。
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