この研究は、成熟過程にあるラットから摘出した皮質ニューロンに対する超低周波磁界(ELF-MF)ばく露の影響を調べた。ばく露に用いたELF-MFは、50 Hz正弦波で、磁束密度は0.1および1 mTである。ばく露の影響評価項目は、主要な抗酸化酵素による細胞防御システムおよび酵素によらない細胞防御システム、膜の過酸化的損傷、成長因子、およびサイトカイン発現パターンとした。その結果は、ELF-MFは、ラットニューロンの初代培養における細胞生存率を上昇させると同時にアポトーシス死レベルを低下させたが、主な抗酸化防御に有意な影響を与えなかった;興味深いことに、線形回帰分析により、1 mT MFばく露細胞において還元型グルタチオン(GSH)とROSレベルとの間の正の相関が示された;さらに、ELF-MFばく露後のGSHによる細胞応答は、脳由来神経栄養因子の過剰発現および生存促進シグナル伝達経路のインターロイキン1ベータ依存性調節を伴って達成されることが示された、と報告している。
細胞の成熟中の超低周波磁界強度(0.1及び1mT)へのばく露によってラット皮質ニューロンに生じる、酸化還元状態、抗酸化物質、解毒酵素防衛防御の変化、ならびに成長因子及びサイトカイン発現プロファイルの変化を調べること。
超低周波磁界に基づく実験モデルが、多価不飽和脂肪酸が豊富な神経細胞膜(皮質ニューロンに一般的)に対して明白な酸化損傷を生じることができるかどうかを評価するため、マロンジアルデヒドのレベルも調べた。
本研究は、皮質ニューロンを用いて実施した。というのは、これらの細胞は酸化ストレス要因に特に敏感で、ニューロンの発達、活性及び生存を制御する特定の因子及びタンパク質に強く依存するためである。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 7 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | solenoids with forced air circulation |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
このデータは、超低周波磁界は細胞の生存能力にプラスに影響し、主な抗酸化防御に有意な影響なしに、ラットの初代培養ニューロンにおけるアポトーシス細胞死のレベルを低下させることを示している。線形回帰分析では、1mTの磁界にばく露した細胞で、グルタチオンのレベル低下と活性酸素種のレベルとの正の相関が示された。
この適応応答は恐らく、グルタチオン消去作用の低下が関与する酸化還元に関連したメカニズム、及び神経栄養の支援の増強が介在している。
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