この研究は、高温、酸化剤、およびその他のストレス因子へのばく露によっていくつか細胞タイプに誘導されることが知られている抗アポトーシスタンパク質BAG3の発現に着目し、インビトロ実験(培養したヒト黒色腫細胞株M14)およびインビボ実験(BALB/c nu/nuマウスの背中にM14細胞を皮下注射した同所性異種移植モデル)で、50 Hz磁界ばく露が培養細胞や移植片においてBAG3レベルを上昇させる否かを調べた。インビトロ実験では、磁界(50 Hz、30 A/ m)のばく露時間を30分間、3時間、6時間とした。インビボ実験は、磁界ばく露群(n = 15)および擬似ばく露群(n = 15)とし、磁界(50 Hz、30 A/ m)への連続ばく露を4週間継続した。その結果、6時間ばく露を受けた培養細胞、および4週間ばく露を受け移植片において、BAG3タンパク質量が有意に増加した;この時、HSP70 / 72タンパク質または細胞アポトーシスのレベルに有意な変化はなかった;総括すると、BAG3タンパク質をELF誘発ストレスのマーカとして同定することができた、と報告している。
50Hz電磁界ばく露がヒト黒色腫細胞株における抗アポトーシスタンパク質BAG3のレベル(ストレスに対するマーカーとして)を高めるかどうかを、イン・ビトロ及び異種移植片(すなわち、BALB/c nu/nuマウス30匹の背中にM14細胞を皮下注射した(15匹をばく露))で調べること。
Positive controls for the experiments by incubation with staurosporine (250 nM).
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 4 weeks |
Additional information | in vivo (xenografts) |
ばく露の発生源/構造 |
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Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁界強度 | 30 A/m | - | - | - | - |
培養細胞または異種移植片の、それぞれ6時間または4週間のばく露は、BAG3タンパク質の発現を有意に増加させた。興味深いことに、著者らはこれと同時には、HSP70/HSP72タンパク質または細胞のアポトーシスにおける有意な変化を検出できなかった。
これらのデータは、超低周波によるストレスのマーカーとしてのBAGタンパク質の同定により、ヒトの細胞での超低周波ばく露によるストレスの影響を確認するものである。更に、この知見は、超低周波によるBAG3誘導は、黒色腫細胞の生存能力及び/または治療への耐性に寄与しているかも知れない、ということを示唆している。
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