この研究は、超低周波電磁界が酸化還元に敏感なメカニズムを介してニューロンの恒常性に影響を与える否かを調べた。そのために、超低周波電磁界ばく露後の細胞において、細胞内での活性酸素種の生産、抗酸化能、グルタチオンベースの解毒能およびゲノムの完全性を評価した。また、増殖性および分化細胞状態への潜在的な超低周波電磁界の影響も評価した。その結果、ばく露後に、主要な酸化的損傷は検出されなかったものの、酸化還元を介した超低周波電磁界の生物影響を支持するように見えるデータが示された;それは、抗酸化酵素の発現の正の変化および還元型グルタチオンレベルの有意な増加であり、細胞環境がより還元状態に移行していることを示している;またゲノムにおける発現の変化が見られた、など数多くの知見を報告している。
超低周波電磁界ばく露後、抗酸化酵素発現に対する正の影響、ならびに還元型グルタチオンレベルの有意な上昇が認められた。
電磁界ばく露は、より分化した表現型、ならびに、ニューロンの分化及び細胞のストレス応答に関連した転写因子(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アイソタイプベータ、PPARβ)の発現の上昇を生じた。
H2O2の酸化的攻撃に対する耐性は電磁界ばく露した細胞で低下した。
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