この研究は、超低周波(ELF)の50 Hz磁界の酸化促進効果を調べるため、カタツムリの一種リンゴマイマイ(Helix aspersa)を用いて2つの実験を行った。1つは実験室での短期ばく露実験、もう1つは野外実験(カタツムリを電力線の近くで、最大2ヶ月間、飼育し続けた)である。酸化的な変化は、個々の抗酸化剤(カタラーゼ、グルタチオンレダクターゼ、グルタチオンS-トランスフェラーゼ、および総グルタチオン)、およびペルオキシルラジカルとヒドロキシルラジカルに対する総合的なラジカル消去能の測定で評価した。脂質過酸化産物の蓄積、リソソーム膜の不安定化、およびDNA完全性の消失も、細胞損傷のマーカとして評価した。その結果、全体的には、ELF磁界よる酸化過程への影響が示され、特に顕著であったのは、カタラーゼ、グルタチオン還元酵およびペルオキシルラジカル消去の総合能に対する迅速で敏感な応答であった;細胞傷害は、電磁界ばく露の期間と強度に依存して異なる傷害の程度で生じ、酸化促進因子、抗酸化防御の効率、および酸化毒性の発生の間の複雑な因果関係が確認された、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 10 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | Exposure was carried out in a Helmholtz coil chamber (100 cm in diameter) with two solenoids producing a highly homogeneous field. During exposures, snails were maintained in plastic cages inside the Helmholtz coil system. |
Additional information | Background environmental field measured was lower than 0.1 µT. |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 10, 20, 40, and 60 days |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | For "natural" field exposures, organisms were transplanted in plastic cages in the proximity of a power line. Two sites were selected with different intensities of the magnetic field. |
データは、カタラーゼ、グルタチオン還元酵素、及びペルオキシラジカルを中和するための全能力についての迅速で敏感な応答を伴う、超低周波磁界による酸化的攻撃を示した。超低周波磁界ばく露の強度及び持続時間に応じ、程度の異なる細胞傷害が生じ、酸化促進作用、抗酸化防御の有効性、酸化毒性の開始との間の複雑な因果関係が確認された。
本研究は、広範な生物学的応答を検出するためのマルチマーカーのアプローチの重要性、及び、初期の酸化応答の長期的影響を調査する必要性を強調している。
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