この研究は、細胞実験により、超低周波磁界(ELF-MF)が細胞内の活性酸素種(ROS)レベルおよび抗酸化酵素活性に影響を与えるか否かを調べた。ヒト乳房上皮細胞MCF10Aに、1mT、60HzのELF-MFへの4時間ばく露を実施した後、細胞内ROSレベル、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性、および酸化型グルタチオン(GSH / GSSG)比を測定した。陰性対照にはインキュベータ対照群および擬似ばく露対照群を、陽性対照には電離放射線(IR)ばく露群を用いた。その結果、2つの対照群に比較して、ばく露群の上記の生物学的パラメータには有意な変化は見られなかった;対照的に、IRばく露群では、ROSレベル、SOD活性、およびGSH / GSSG比に顕著な変化を示した;形態学的変化、並びに老化関連のベータガラクトシダーゼ活性の変化は、IRばく露群でのみで見られた、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
continuous for 4 h
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Cells were divided into three different groups: i) sham exposure group ii) experimental group exposed to ELF-MF iii) positive control group exposed to gamma radiation
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 4 h |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | exposure system was kept in an incubator at 37°C (±3°C); size of Petri dishes: 100 mm |
ばく露装置の詳細 | field generator consisted of four square-shaped coils and one cage with three testing floors |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
Additional information | magnetic field shielding system using ferrite material was adopted to shield strong magnetic fields in the outer of the exposure system |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | maximum | 測定値および計算値 | - | fixed value at the center of the middle floor |
超低周波磁界にばく露した細胞は、偽ばく露対照群と比較して、調査したパラメータに統計的に有意な変化を示さなかった。ガンマ線照射細胞は活性酸素種レベル(上昇)、スーパーオキシドジスムターゼ酵素活性(上昇)、及びGSH/GSSG比(低下)に顕著な変化を示した。加えて、ガンマ線照射細胞だけが、形態学的変化及び老化関連ベータガラクトシダーゼ活性について陽性であった。
著者らは、これらのばく露条件下では、細胞内活性酸素種レベル、スーパーオキシドジスムターゼ活性、及びGSH/GSSH比に対する超低周波磁界ばく露の影響はない、と結論付けている。
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