この研究は、超低周波磁界ばく露(ELF-EMF:50 Hz、5 mT、1時間)を1回与えた場合と、1日1回で4日間繰り返し与えた場合に、K562細胞の分化への影響が異なるか否かを調べた。分化誘導剤へミンの投与と同時に最初のばく露を開始した。また、ストレッサーとしてマグネシウムおよび熱ショックとELF-EMFとの組み合わせばく露実験も行った。すなわち、実験群は、1) ELF-EMF単回ばく露、2) ELF-EMF反復ばく露、3) ELF-EMF単回ばく露+マグネシウム、4) ELF-EMF反復ばく露+マグネシウム、5) ELF-EMF単回ばく露+熱ショック、6) ELF-EMF反復ばく露+熱ショックであった。その結果、ELF-EMFへの単回ばく露は分化を減少させ、4日間の反復ばく露は分化が増加させることが示された;マグネシウムおよび熱ショックを組み合わせたばく露においても同様の結果が示された、と報告している。
For further information on the setup see also: Tuncel, H., Shimamoto,F., Cagatay, P., Kalkan, M. T. (2002). Variable E-cadherin expression in a MNU-induced colon tumor model in rats which exposed with 50 Hz frequency sinusoidal magnetic field. Tohoku J. Exp. Med. 198:245-249
Cells were treated in the following groups: i) single EMF exposure (exposure 1) ii) repetitive EMF expsoure (exposure 2) iii) exposure 1 + magnesium iv)exposure 2 + magnesium v) exposure 1 + heat shock vi) exposure 2 + heat shock
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 1 h |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | eight copper solenoids with 860 turns on an iron core connected serially to the power supply; cells kept in a constant temperature water bath placed on the solenoids |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 5 mT | - | 測定値 | - | +/- 0.1 mT |
このデータは、(対照群と比較して)超低周波電磁界への単回ばく露は細胞分化を減少させるが、毎日1時間適用した場合には細胞分化を増加させることを示している。共ストレス因子(マグネシウム及び熱ショック)の影響は、超低周波電磁界ばく露単独による結果と同様であった。
超低周波電磁界ばく露は、ヘミンで処理しないK562細胞における活性酸素種のレベルを高めた。但し、電磁界ばく露は、ヘミンで処理した細胞の活性酸素種のレベルは変化させなかった。このことは、活性酸素種は細胞分化の減少または増加の原因ではないことを示している。
結論として、これらの知見は、超低周波電磁界に対する細胞の生理学的応答を決定する上で、ばく露の時間コースが重要なパラメータであることをほのめかしている。
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