この研究は、タンパク質の酸化および20Sプロテアソーム複合体の機能に対する超低周波(ELF)電磁界の影響を調べた。20Sプロテアソーム複合体は、酸化されたタンパク質の分解に関与する複合体である。ヒト結腸がん由来細胞株Caco 2細胞に、24〜72時間、1 mT、50HzのELF電磁界ばく露を与えた。その結果、ELF処理は、ばく露時間依存的に、細胞増殖およびタンパク質酸化の両方の増加を誘発した;この効果は、TPAの存在下でより明白であった;その一方、細胞生存率の変化は検出されなかった;また、ELF処理は、20Sプロテアソームの触媒活性ユニットの全体的活性化が引き起こされた;これは特に72時間のばく露とTPAの存在下で明白であった;抗酸化化合物EGCGの添加により、ELF処理による酸化促進作用が打ち消されたことから、プロテアソーム活性の増加は細胞内フリーラジカルの増強によることが示された、と報告している。
タンパク質酸化及び20Sプロテアソーム機能(酸化したタンパク質の分解に関与する複合体)に対する超低周波電磁界の影響力を調べること。更に、超低周波電磁界が介在する酸化損傷に対するエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)の防護作用も評価した。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 24 hr to 72 hr
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 24 hr to 72 hr |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | 40 cm long solenoid with a diameter of 20 cm with 3 forward-backward-forward layers of 600 turns of 2 mm diameter copper wire inside a water-jacketed temperature and atmosphere regulated incubator; 11 cm x 17 cm exposure volume along the axis with a field variation of 5 % |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | effective value | - | - | - |
ばく露は、細胞の成長及びタンパク質酸化の両方に時間依存性の増加を生じ、TPAがある場合にはより明白であったが、細胞の生存能力における変化は認められなかった。この結果は、電磁界はタンパク質分解活性の上昇を生じるプロテオソームの機能に影響を及ぼし得ることを示している(72時間ばく露及びTPAの存在下で特に明白)。エピガロカテキン-3-ガレートは電磁界が関連する酸化促進作用を相殺するという知見は、プロテアソームの活性の上昇は細胞内フリーラジカルの増加によるということを証明するものである。
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