この研究は、ヒト神経芽細胞腫細胞SH-SY5Yに、超低周波磁界(ELF-MF:50 Hz正弦波、1 mT)ばく露を3つの異なるばく露時間(5日、10日、および15日)で与え、ばく露終了後に、プロテオーム発現および生物学的挙動を調べた。比較には無ばく露対照群を用いた。その結果、15日間ばく露群において9つのタンパク質に変化が見られた;それらは、ペルオキシレドキシンアイソザイム(2、3、および6)、3-メルカプトピルビン酸硫黄トランスフェラーゼ、アクチン細胞質2、t-複合タンパク質サブユニットβ、ロポリン-1A、プロフィリン-2およびスピンドリン-1であった;これらは、細胞防御メカニズムおよび/または細胞の組織化・増殖に関与する、と報告している。
全ての実験を4回反復した。
15日間のばく露後、このデータは、細胞の防御メカニズム及び/または細胞の構成及び増殖に関与する9個の新たなタンパク質を明らかにした:ペルオキシレドキシンアイソエンザイム(2、3及び6)、3-メルカプトピルビン酸サルファトランスフェラーゼ、アクチン細胞質2、T-複合タンパク質サブユニットベータ、ロッポリン-1A、プロフィリン-2及びスピンドリン-1。
この結果は、超低周波磁界ばく露は、細胞増殖、細胞数及び細胞の生存能力を有意に高め、細胞骨格構造を変化させることを示した:ばく露細胞はクラスター化が少なく、チューブリンの発現の増加が見られた。
これらの知見は、超低周波磁界ばく露はSH-SY5Y細胞のタンパク質プロファイルにおける有意な変化のトリガとなり得る、ということを示している。特に、磁界ばく露の結果、細胞の防御メカニズム、構成、生物発生に関与する共通のタンパク質スポットの発現レベルが上昇した。ゆえに、これらの知見は、超低周波磁界ばく露はより侵襲的な表現型へのシフトのトリガとなり得るという、著者らの仮説を支持している。
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