この研究は、マウス骨髄由来マクロファージによる食作用およびフリーラジカル産生に対する50Hz磁界の影響を調べた。マクロファージを、異なる磁束密度(0.5-1.5 mT)でインビトロばく露した。食作用による取り込みは、ラテックスビーズの内在化速度測定により定量化した。その結果、45分間ばく露で、食作用による取り込みは有意に増加した(36.3 % ±15.1 %);1 nMの12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(TPA)による刺激は、1 mTの磁界と同程度の食作用活性の増加を示した;しかし、磁界とTPAの同時ばく露では、ビーズ取り込みの相乗効果は見られなかったため、磁界によるマウス骨髄由来マクロファージの刺激にプロテインキナーゼは関与しないことが示された;さらに、磁界ばく露後にスーパーオキシド産生の有意な増加も検出された、と報告している。
マウスの骨髄由来マクロファージでの食作用及びフリーラジカル産出を調べることで、50Hz電磁界の活性化能力を調査すること。プロテインキナーゼC介在性のシグナル伝達経路が関与しているかどうかを調べるため、TPAと電磁界との共ばく露を実施した。
マクロファージ活性化の陽性対照としてTPA刺激(1nM、10nM、1mM)を用いた。これは、食作用活性ならびにラジカル産出は共にTPAによって刺激することができるためである。TPAはプロテインキナーゼCと相互作用し、プロテインキナーゼC介在性のシグナル伝達を活性化させ得る。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 30, 45 and 60 min |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | Culture dishes were placed in the center of the exposure system in a tissue culture incubator. Control samples were either run simultaneously in a separate incubator or in the same incubator with the coil system switched off. |
Additional information | Two different exposure systems, Merritt coil system and Helmholtz coil system, were used to generate horizontally polarized magnetic fields with respect to the culture medium surface. |
電磁界への短期ばく露(45分間)は食細胞の取り込みの有意な増加を生じた。TPA刺激(1nM)は、1mTの電磁界と同様の食細胞活性化の増加を示した。但し、電磁界とTPAの共ばく露は、取り込みの更なる増加を生じなかった。ゆえに著者らは、相加作用がないことから、これらのマクロファージの電磁界に誘導される刺激はプロテインキナーゼCシグナル伝達経路に関与していない、と結論付けた。
更に、電磁界ばく露後の過酸化生成物の有意な増加が検出された。これは、マクロファージの直接的な活性化の証拠と考えられる。
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