この研究は、50 Hz、650 μTのELF磁界が染色体異常誘発性および異数性誘発性を持つ可能性を調べた。子宮期(21日)の全期間を通してELF磁界ばく露を受けた新生仔マウスから採取した肝臓および末梢血、および同期間、同じELF磁界ばく露を受けた成獣マウスから採取した骨髄および末梢血について、CREST抗体染色を用いた小核試験を行なった。ばく露にはソレノイド コイルを用い、マウスを入れたコイルの中心部の磁束密度は約650 μTであった。その結果、新生仔マウスでのデータは小核頻度の有意な増加を示した;絶対値としては、誘導された小核の大半は、CREST陰性(すなわち、染色体断片によって形成された小核)であった;しかし、相対値としては、ELFばく露により、CREST陰性小核は2倍に増加し、CREST陽性小核(すなわち、染色体全体によって形成される小核)は4倍に増加した;ばく露を受けた成獣マウスでのデータにばく露による有意な影響は見られなかった、と報告している。
子宮内での全期間(21日間)、超低周波磁界にばく露した新生マウスからの肝臓及び末梢血サンプル(赤血球)、ならびに、同じ磁界に同じ期間ばく露した成獣からの骨髄及び末梢血サンプルを調べた。
染色体切断(染色体異常誘発性の損傷、染色体断片を伴う小核につながる)または紡錘体の攪乱(異数性誘発性の損傷、全染色体を伴う小核につながる)の後に小核が生じる。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
24 h/day for 21 days
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The experiment was performed with 4 groups: a) 15 adult mice b) 36 newborn mice from 4 pregnant mice which were exposed during pregnancy and three days after birth c) a control group of 15 adult mice which were not exposed d) a positiv control group with 6 adult mice which were exposed to X-rays
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 24 h/day for 21 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | the solenoid was 0.8 m in length and 0.13 m in radius, with 552 turns of 2.5 mm² copper wire. The solenoid was not shielded. |
Additional information | A control group of another 15 mice was kept un-exposed for 21 days. Positive control was carried out exposing 6 adult mice to X-rays. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 650 µT | effective value | 指定なし | - | at the centre of the solenoid |
新生マウスのデータは、小核頻度の有意な上昇を示した。絶対的には、誘導された小核の大半はCREST陰性(染色体断片で形成されたもの)であった。但し、相対的には、超低周波ばく露はCREST陰性の小核の2倍増加、CREST陽性の小核(全染色体で形成されたもの)の4倍増加を生じた。
結論として、異数性は発がんに関して重要なので、電磁界と異数性との間にあるかも知れないつながりを調査するため、更なる研究が必要である。
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