この研究は、1 mT、60 Hzの磁界(MF)の2時間の急性ばく露を受けた未成熟(10日齢)マウスの脳に、DNA損傷、それに続くアポトーシスが引き起こされるか否かを調べた。アルカリ性コメットアッセイを用いて、ばく露後0、2、4、および24時間におけるDNA損傷を定量した。TdT媒介dUTPニックエンドラベリング(TUNEL)アッセイを用いて、ばく露後0および24時間の未成熟マウス小脳の外顆粒細胞層(EGCL)においてアポトーシスを定量した。4つのパラメータ(テール比、テールモーメント、コメット長、およびテール長)を用いて、DNA損傷を評価した。その結果、 MFばく露の2時間後のテール比で見ればDNA損傷は増加したが、他のパラメータからはDNA損傷増加の証拠は得られなかった;さらに、2時間以外のばく露後の時間のいずれにおいても、これらのパラメータに同様の差が見られなかった;MFばく露マウスのEGCLでは、アポトーシスの増加は観察されなかった;以上の知見は、急性MFばく露が未成熟マウスの小脳にDNA損傷を引き起こすという仮説を支持しない、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
continuous for 2 h
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周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 2 h |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | 4 x 4-coil Merritt sets; coil set consisting of four 40 cm x 40 cm square coils with 84 x 36 x 36 x 84 turns of AWG12 bifiliar copper wire; animals housed in 34 cm x 20cm x 13 cm plastic cages in the middle of chamber |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | mean | 測定値 | - | - |
磁界ばく露の2時間後のテール比によってDNA損傷の増加が検出されたが、他のパラメータではDNA損傷の増加を支持する証拠は検出されなかった。加えて、それ以外のばく露後の時間(0、4、または24時間)にはこれらのパラメータに同様の差は認められなかった。
ばく露群の小脳の外顆粒細胞層(各種の遺伝毒性のある化学物質や電離放射線によってアポトーシスを生じることが知られている)には、偽ばく露群と比較してアポトーシスの増加は認められなかった。
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