この研究は、ヒト二倍体線維芽細胞に、連続的または断続的に、超低周波電磁界(ELF-EMF:50Hz、正弦波、1000 μT)の24時間ばく露を与え、それによる遺伝毒性影響を調べた。影響評価項目は、DNAの一本鎖切断(SSB)および二本鎖切断(DSB)と定め、アルカリおよび中性のコメットアッセイを用いて評価した。その結果、連続的ELF-EMFばく露とは対照的に、断続的ばく露において再現性良く確認されたのは、DSBを主としたDNA鎖切断レベルの有意な増加であった(無ばく露対照との比較において);断続条件がDNA鎖切断にインパクトをもち、5分間オン/ 10分間オフの条件下で、DNA鎖切断の生成は最高レベルに達した;ELF-EMFへの応答には個人差があった;また、磁束密度とコメットアッセイでのDNA移動の間には、明らかなばく露反応関係があった、と報告している。
本研究は、欧州連合が資金提供し、12の独立した研究グループが関与したREFLEXプロジェクト(敏感なイン・ビトロでの手法を用いた低エネルギーの電磁界ばく露からの潜在的環境ハザードのリスク評価)の一部である。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 24 hours |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | Both systems were placed inside a commercial incubator to ensure constant environmental conditions (37 °C, 5% CO2, 95% humidity). |
ばく露装置の詳細 | two four-coil systems (two coils with 56 windings, two coils with 50 windings), each placed inside a µ-metal box |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1,000 µT | - | 測定値 | - | - |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | intermittent (patterns see below) for 24 hours |
ばく露の発生源/構造 |
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Additional information | exposure time patterns 15 min on/15 min off 5 min on/5, 10, 15, 20, 25 min off 1, 3, 10, 15, 25 min on/10 min off |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1,000 µT | - | 測定値 | - | - |
連続的な超低周波電磁界ばく露とは対照的に、間欠的な界の適用は、非ばく露対照と比較して、DNA鎖切断レベル、主に二重鎖切断の有意な増加を再現性をもって生じた。間欠性の条件は、DNA鎖切断の誘導に対するインパクトを示し、「5分間オン/10分間オフ」で最も高いレベルを生じた。電磁界に対する反応の個体差、ならびに磁束密度とDNA移動距離との明白なばく露-反応関係も認められた。
この知見は、間欠的な電磁界の潜在的遺伝毒性作用を強く示している。このことは、更なるイン・ビボでの研究と、超低周波電磁界ばく露に対する環境閾値についての検討の必要性を示している。
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