研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[電磁界への間欠ばく露によるDNA鎖切断の誘導に対する年齢に関連した影響] med./bio.

Age-related effects on induction of DNA strand breaks by intermittent exposure to electromagnetic fields

掲載誌: Mech Ageing Dev 2003; 124 (7): 847-850

この研究は、ELF-EMFばく露によるDNA損傷の受けやすさは老化により高まるのか、あるいは年齢とともにDNA修復効率は低下するのかという疑問を検討した。その結果、断続的なELF-EMF(50 Hz正弦波、1 mT)のばく露を1〜24時間受けた異なる年齢の6人の健康なドナーの培養線維芽細胞での基礎的なDNA鎖切断レベルは、年齢と相関した;細胞は、15〜19時間のばく露で最大の反応を示した;この反応は、年齢の高いドナーの細胞の方が明らかにより顕著であった;このことは、ELF-EMFに誘導されるDNA鎖切断におけるDNA修復効率の年齢依存性の低下を示している可能性がある、と報告している。

研究目的(著者による)

本研究は、異なる年齢の提供者からのヒト線維芽細胞に関連したDNAに対する間欠的な電磁界ばく露の影響を調査するために実施した。

詳細情報

6、14、28、43、56、81歳の健康な提供者6人からヒト線維芽細胞を得た。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: intermittent, 5 min on/10 min off for 1-24 h in 1 h steps.

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 intermittent, 5 min on/10 min off for 1-24 h in 1 h steps.
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 two four coil systems with 56 and 50 windings each of which was placed inside a µ-box; current in the bifilar coils could be switched parallel for field exposure or non parallel for sham exposure
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT unspecified 指定なし - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

DNA鎖切断ばく露時間と共に増加し、15-19時間で最大であった。DNA鎖切断のレベルはその後低下したが、基底レベルには戻らなかった。
異なる提供者の細胞株は、DNA鎖切断の規定レベル、最大値及び最終的なレベルが異なった。
高齢者からの線維芽細胞には、より高いDNA鎖切断レベルが認められ、より若い提供者からのものよりも低下開始が遅かった。
これらの知見は、超低周波電磁界によって生じたDNA鎖切断に対するDNA修復効率の年齢に関連した鈍化を示唆するものである。

研究の種別:

研究助成

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