この研究は、マウスに40日間、50 Hz磁界ばく露を与え、末梢血リンパ球への影響を調べた。影響評価項目は、核面積(銀染色核小体形成域(AgNOR))、小核を持つ末梢血リンパ球(MPBL)および小核をを持つ多色赤血球(MPCE)の出現頻度である。120匹のスイスアルビノマウスを6群(5つのばく露群と一つの対照群)に均等に分けた。ばく露群はそれぞれ、1、2、3、4、5 μTの50Hz-EMFばく露を40日間受けた。その結果、ELF-EMFばく露により、核面積が非線形的に減少した;すなわち、1μT群ではAgNOR領域は急激に低下し、それ以降のばく露群では回復し、有意ではないが対照群よりわずかに高いレベルになった;どのばく露群においても、核ごとのAgNORの平均数に違いはなかった;相対的なAgNOR面積は、1 μT群で最も高値ではあるものの、その値は5 μT群のものと似通っていた;残りのばく露群では、対照群に比べ、有意に低いものの、対照群の値と似通っていた;どの強度のばく露群でも、MPBLまたはMPCEの頻度への影響は見られなかった;以上の知見は、5 μT 以下の50 Hz EMFがマウスに遺伝毒性作用を引き起こさなかったことを示唆する、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 40 days
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 40 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | six solenoids, each consisting of 300 turns of insulated copper wire wound in a single layer on a 32 cm diameter cylindrical plastic core; 10 animals of the same sex housed in one plastic cage; cage placed in the center of the solenoid |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 5 µT | effective value | 計算値 | - | 1, 2, 3, 4, 5 µT |
超低周波電磁界ばく露は、偽ばく露対照群と比較して、核領域の非線形の減少を生じた。1µT群のAgNOR領域に急減が生じ、このデータは磁束密度の増加に伴う定常的な上昇を示した。電磁界は核あたりのAgNORの平均数を変化させなかった。AgNORの相対面積は1µTばく露群で最も高いレベルで、5µTとほぼ同等であった。残りのグループは有意に低く、対照群のレベルとほぼ同等であった。
どの強度の磁界ばく露も、小核を生じた血液細胞の頻度に有意に影響しなかった。但し、リンパ球あたりの小核の数は、より高い磁束密度で増加する傾向があった。
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