この研究は、ヒト由来の細胞を用いたインビトロ実験で、ELF-EMFの用量依存性のDNA損傷効果の有無を調べた。培養ヒト二倍体線維芽細胞に、断続的なELF-EMFばく露を与えた(50 Hz、正弦波、5分間オン/ 10分間オフ)。ばく露時間は1-24時間、磁束密度は20-1000 µTで変化させた。DNA損傷は、アルカリ性および中性コメットアッセイで測定された。その結果:ELF-EMFばく露は、用量依存的および時間依存的なDNA一本鎖および二本鎖切断を誘発した;影響は、35 µTという低い磁束密度で発生した;これは、ICNIRPガイドライン値を大きく下回っている;ばく露終了後、誘発されたコメットテイルファクター等は9時間以内に正常に戻った、と報告している。
著者らは先行研究(publication 9089)で、50Hz磁界に間欠ばく露したヒト線維芽細胞におけるDNA一本鎖切断の増加を示した。電磁界によって生じたDNA損傷の程度はオン/オフ時間のセッティングに関連して変化し、「5分間オン/10分間オフ」で最大であった。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | intermittent, 5 min on/10 min off, for 1-24 h |
ばく露の発生源/構造 |
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チャンバの詳細 | Exposure chamber placed inside a commercial incubator. |
ばく露装置の詳細 | 35 mm Petri dishes placed inside the µ-box. |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
Additional information | The currents in the bi-filar coils were switched parallel for field exposure or non-parallel for sham exposure. |
超低周波電磁界ばく露は量依存的及び時間依存的にDNA一本鎖切断及び二本鎖切断を生じた。影響は、ICNIRPガイドラインよりも十分に低い、磁束密度が35mT程度の低さで生じた。照射終了後、誘導された「コメットテイルファクター」は9時間以内に正常に戻った。
誘導されたDNA損傷は熱作用によるものではなく、超低周波電磁界ばく露に対する環境閾値の限度値について懸念を生じるものである。
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