この研究は、ラットを用いて、DNAの8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシン(8OHdG)レベルおよび血漿中のチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)に対する超低周波電磁界(ELF-EMF)(50 Hz、0.97 mT)の影響を調べた。8OHdGは活性酸素種( ROS)によるDNA損傷で生成される物質で、遺伝子損傷の指標になる。磁界から生じる可能性のある時間依存性の変化を調べるために、1日3時間のばく露を50日間および100日間継続後に、8OHdGとTBARSを定量した(電気化学的定量は8-OHdG /105dGで表す)。その結果、ELF-EMFへのばく露が酸化的DNA損傷および脂質過酸化(LPO)を誘発することが示された;50日間および100日間のばく露群における8OHdGレベルはそれぞれ、4.39±0.88および5.29±1.16(単位は8-OHdG /105dG)で、それぞれの擬似ばく露群の3.02±0.63および3.46±0.38に比べ有意に高かった(どちらもp < 0.001);同じく、50日間および100日間のばく露群において有意に高いTBARSレベルが検出された(どちらもp <0.001);さらに、DNA損傷およびLPOの程度は、ばく露時間に依存した(どちらもp <0.05)、と報告している。
8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)アッセイを用いた。8-OHdGはラジカルによって生じるDNA損傷の主要な形態で、がんリスクの評価のための潜在的ツールである。
磁界によって生じる可能性のある時間依存性の変化を調べるため、50日目及び100日目に8-OHdG及びチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)を定量化した。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | repeated daily exposure, 3 h/day for 50 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | methacrylate boxes (17 x 17 x 25 cm) |
ばく露装置の詳細 | The animals were kept in 14/10 h light/dark environment at constant temperature of 22°C and 45% humidity. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 970 µT | mean | 測定値 | - | ± 136 µT |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | repeated daily exposure, 3 h/day for 100 days |
ばく露の発生源/構造 |
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測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 970 µT | mean | 測定値 | - | ± 136 µT |
データは、超低周波電磁界ばく露が酸化的DNA損傷及び脂質過酸化を生じることを示した。
50及び100日目のばく露群の8-OHdGレベルは、偽ばく露群と比較して有意に高かった。ばく露群には、50及び100日目のどちらにも、より高いTBARSレベルが認められた。加えて、DNA損傷及び脂質過酸化の程度はばく露時間に依存していた。
この結果は、超低周波電磁界への長期ばく露が酸化的DNA損傷を生じるかも知れないということについて、重要な意味合いを有するかも知れない。
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