この研究は、著者らが先行研究で報告した「60Hz正弦波磁界の急性ばく露(2時間)を受けたラット脳細胞でのDNA一本鎖および二本鎖の切断の増加」が、メラトニンおよびとスピントラップ化合N-tert-butyl-alpha-phenylnitrone(PBN)の処置により阻害されるか否かを調べた。ラットは、 0.5mT、60Hz磁界の2時間ばく露の直前および直後に、メラトニン(1mg / kg、皮下)またはPBN(100mg / kg、腹腔内)を注射した。その結果、2つの薬物処理のどちらにおいても、脳細胞における磁界誘導DNA一本鎖および二本鎖切断は阻止されたことが示された;メラトニンおよびPBNは効率的なフリーラジカルスカベンジャーであるので、この実験データは、フリーラジカルが磁場誘発DNA損傷において役割をもつ可能性が示唆された、と報告している。
先行研究で著者らは、正弦波60Hz磁界への急性ばく露後のラットの脳細胞におけるDNA単鎖切断及び二重鎖切断の増加を見出した(publication 2063参照)。
2時間のばく露の直前及び直後に、ラットにメラトニン(1mg/kg)またはPBN(100mg/kg)を投与した。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 2 h |
ばく露の発生源/構造 |
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チャンバの詳細 | plastic cage with styroform cover (45 cm long x 21 cm wide x 22 cm high) |
ばく露装置の詳細 | two seperate rooms with two similar exposure systems; the cage placed in the center of the space between the coils |
Additional information | Helmholtz coil arranged in such a way that it could be switched "in phase" to generate MF or in "bucking mode" to cancel the fields generated by each other. Bucking mode was used as control to determine the effects of heat and vibration. |
データは、60Hz磁界への急性ばく露がラットの脳細胞におけるDNA単鎖切断及び二重鎖切断を増加させるという、先行研究の知見を確認した。
どちらの薬剤処理も磁界による脳細胞のDNA単鎖及び二重鎖切断を阻害した。メラトニン及びPBNは効率的なフリーラジカルスカベンジャーであることから、これらの知見は、磁界によるDNA損傷ではフリーラジカルが役割を担っているかも知れないことを示唆している。
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