研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[60Hz磁界への急性ばく露後の齧歯類の脳におけるDNA損傷の評価] med./bio.

Evaluating DNA damage in rodent brain after acute 60 Hz magnetic-field exposure

掲載誌: Radiat Res 2005; 164 (6): 791-797

この研究は、60 Hz磁界への急性ばく露の影響を、ばく露後の全脳および小脳ホモジネート中の細胞でのDNA損傷を調べることで評価した。実験には成獣ラット、成獣マウス、および未成熟マウスを用いた。各動物に、60 Hzの磁界(0、0.1、1または2 mT)の2時間ばく露を与えた。ばく露終了から0、2、4時間後に、動物を屠殺して、脳を摘出、ホモジナイズし、アルカリコメットアッセイで処理するために細胞アガロースゲルにキャストした。各コメットのDNA損傷を評価するために、4つのパラメータ(テイル比、テイルモーメント、コメット長、テイル長)を用いた。その結果、それぞれの動物種において、陽性対照(2 Gy X線)群では、同時無ばく露擬似対照群に比べ、4つのパラメータそれぞれによってDNA損傷有意な増加が検出された;一方、ばく露後のどの時点でも、全ての磁界ばく露(0〜2 mT)群のどの脳細胞ホモジネートにおいても、DNA損傷有意な増加を示したパラメータはひとつもなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

磁界への急性ばく露がDNA損傷を生じ得るかどうかを、成獣のラット、成獣のマウス及び未熟なマウスの脳全体及び小脳ホモジネートから得た脳細胞において調査すること。

詳細情報

陽性対照群の成獣のラット、マウス及び未熟なマウスをエックス線(2Gy)にばく露した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: continuous for 2 h

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • unspecified
ばく露時間 continuous for 2 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 Two Quad/4x in vivo magnetic field exposure chambers. Each chamber consisting of 4 x 4 Merritt sets with 40 cm² square coils.
Additional information Sham exposure was performed by configuring the coils in buck mode. Negative (0 Gy X-ray) and positive (2 Gy X-ray) controls were processed with each experimental exposure.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.1 mT - 測定値 - -
磁束密度 1 mT - 測定値 - -
磁束密度 2 mT - 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

それぞれの種について、陽性対照では非照射陰性対照及び偽ばく露対照と比較して、DNA損傷有意な増加が、コメットアッセイの4つのパラメータによって認められた。

但し、どの磁界ばく露群でも、ばく露後のどの時点でも、脳細胞ホモジネートにDNA損傷有意な増加は認められなかった。本研究で調査した複数の動物群から得た、量‐反応及び時間コースのデータは、磁界によるDNA損傷の証拠を何ら示していない。

研究の種別:

研究助成

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