この研究は、60 Hz磁界への急性ばく露の影響を、ばく露後の全脳および小脳のホモジネート中の細胞でのDNA損傷を調べることで評価した。実験には成獣ラット、成獣マウス、および未成熟マウスを用いた。各動物に、60 Hzの磁界(0、0.1、1または2 mT)の2時間ばく露を与えた。ばく露終了から0、2、4時間後に、動物を屠殺して、脳を摘出、ホモジナイズし、アルカリコメットアッセイで処理するために細胞をアガロースゲルにキャストした。各コメットのDNA損傷を評価するために、4つのパラメータ(テイル比、テイルモーメント、コメット長、テイル長)を用いた。その結果、それぞれの動物種において、陽性対照(2 Gy X線)群では、同時無ばく露擬似対照群に比べ、4つのパラメータそれぞれによってDNA損傷の有意な増加が検出された;一方、ばく露後のどの時点でも、全ての磁界ばく露(0〜2 mT)群のどの脳細胞ホモジネートにおいても、DNA損傷の有意な増加を示したパラメータはひとつもなかった、と報告している。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 2 h |
ばく露の発生源/構造 |
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チャンバの詳細 | Two Quad/4x in vivo magnetic field exposure chambers. Each chamber consisting of 4 x 4 Merritt sets with 40 cm² square coils. |
Additional information | Sham exposure was performed by configuring the coils in buck mode. Negative (0 Gy X-ray) and positive (2 Gy X-ray) controls were processed with each experimental exposure. |
それぞれの種について、陽性対照では非照射陰性対照及び偽ばく露対照と比較して、DNA損傷の有意な増加が、コメットアッセイの4つのパラメータによって認められた。
但し、どの磁界ばく露群でも、ばく露後のどの時点でも、脳細胞ホモジネートにDNA損傷の有意な増加は認められなかった。本研究で調査した複数の動物群から得た、量‐反応及び時間コースのデータは、磁界によるDNA損傷の証拠を何ら示していない。
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