この研究は、超低周波の交流磁界(50 Hz)が、初代ヒト線維芽細胞にDNA損傷および染色体損傷を誘導する能力を持つか否かを調べた。DNAの一本鎖および二本鎖切断はそれぞれ、アルカリコメットアッセイおよびガンマH2AX病巣アッセイを用いて定量化された。染色体損傷については、不安定異常、姉妹染色分体交換および小核をアッセイした。細胞は、50 - 1000 μTの範囲の50 Hz交番磁界の断続的ばく露(5分オン、10分オフ)を15時間受けた。また、電離放射線ばく露を与えた陽性対照群を用いた。ばく露装置には、著者らが製作したソレノイドコイルシステムとEUのREFLEXプログラムによる以前の研究で用いられたものとほぼ同じ商用システムを用いた。その結果、どちらのばく露システムを用いた場合においても、MFの断続的ばく露を受けた線維芽細胞において、DNA損傷や染色体損傷は検出されなかった;感度の高いガンマH2AXアッセイでも、MFばく露を受けた線維芽細胞において有意なDNA損傷を検出できなかった;このアッセイの最小しきい値はX線線量0.025Gyと同等であった;以前の報告と同等のMFパラメータを使用した今回の再現実験では、以前の研究が報告した「アルカリ性および中性のコメットアッセイ、ならびに染色体異常誘導の両方に関する有意な影響」を確認できなかった、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | 5 min on - 10 min off - for 15 h |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | 200 mm long solenoid with a diameter of 100 mm and 400 turns of 1.5 mm copper wire plus 52 turns at either end that can be energized independently in order to enhance the field uniformity; solenoid housed in a double-skinned mu-metal enclosure within a temperature-controlled incubator |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
交番磁界ばく露後のヒト初代線維芽細胞のDNA一本鎖及び二本鎖切断、ならびに目に見える染色体変化のデータは、有意なレベルの損傷の検出には至らず、REFLEXプロジェクトからの陽性の知見は依然として確認できなかった。
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