この研究は、ヒトの正常細胞およびがん細胞に対する超低周波磁界(MF)の影響を調べた。結果として、6mTの60 Hz時間変動MFへの30分間の単回ばく露は影響を与えなかったが、それの反復ばく露は細胞生存率を低下させた;この低下は、一般的なDNA二本鎖切断(DSB)マーカであるγ-H2AX、およびDNA損傷チェックポイント経路のチェックポイントキナーゼ2(Chk2)のリン酸化を伴った;さらに、6 mTの時変MFへの24時間ごとの30分間ばく露を3日間繰り返した場合、p38が活性化され、がん細胞および正常細胞にアポトーシスが誘導された、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
---|---|
ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
continuous for up to 60 min
single exposure
|
|
ばく露2:
60 Hz
ばく露時間:
continuous for 30 min/day on 3 days
repeated exposure
|
周波数 | 60 Hz |
---|---|
タイプ |
|
ばく露時間 | continuous for up to 60 min |
Additional information | single exposure |
ばく露の発生源/構造 |
|
---|---|
ばく露装置の詳細 | four permanent magnets forming a plate with a diameter of 15 cm that could move up and down along a spindle so that the distance between the bottom and the magnets varied up to 12 cm; the maximum rotation speed was 1800 rpm; culture plates placed on the bottom of the exposure device which was placed inside an incubator |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
磁束密度 | 6 mT | - | 測定値 | - | at a distance of 5 cm between magnets and cell culture plates |
60Hz磁界(6mT)への単回ばく露はどちらの種類の細胞の生存能力にも影響しなかったが、DNA二本鎖切断を誘導死、DNA損傷チェックポイント経路を活性化させた(リン酸チェックポイントキナーゼ2の発現)。
但し、60Hz磁界への反復ばく露は細胞の生存能力を低下させた(IMR90細胞はHeLa細胞よりも敏感であった)。更に、ばく露は持続的なp38MAPKリン酸化及びカスパーゼ依存性アポトーシス、ならびにDNA二本鎖切断を生じた。
結論として、これらのデータは、60Hz磁界への日常的または反復的なばく露はヒトの正常細胞及びがん細胞に対する潜在的遺伝毒性作用を有することを示唆している。ゆえに、数mTの超低周波磁界の健康リスクを更に評価すべきである。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。