この研究は、姉妹染色分体交換(SCE)を指標に用いて、ヒト末梢血リンパ球(HPBL)に対する超低周波(ELF)電磁界(EMF)の染色体異常誘発能を調べた。再現性を判断するために、6人の健康な男性ドナーの末梢血リンパ球(PBL)を分割して2ラウンドの実験(R1とR2)が行われ、SCEの頻度はスコアリングされた。各ラウンドで、8つのばく露条件の実験を行った。すなわち、50 Hz正弦波(連続またはパルス)または50 Hz方形波(連続またはパルス)の4通りにおいてそれぞれ、磁束密度1 μTまたは1 mTで72時間ばく露を行った。その結果、2回のラウンドのどちらにおいても、8つのばく露条件を一群として対照群と比較すると、ばく露群において細胞あたりのSEC数の有意な増加が見られた;R1における最大のSCE頻度は方形波連続波での10.03であったが、R2では方形波連続波での10.39は、R2で2番目に高い頻度となった;複製フォーク(二本鎖DNAの複製が進行する部位)でのDNA架橋は、ELF EMFばく露とSCE頻度増加との間のメカニズムを説明するモデルとして提案できるかもしれない、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 72 h |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | The Helmholtz coils were housed in a purpose-built incubator situated in an electrically shielded room away from any MF sources and maintained at 37 °C by a flow of warm air from a distant source (2 m). |
ばく露装置の詳細 | Culture tubes containing 5 ml of medium were placed within the pair of Helmholtz coils. Each coil was 180 mm in diameter and made of 100 turns of enamelled 0.7 mm diameter copper wire. |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
Additional information | Control tubes were similarly cultured over a separate 72 h incubation period, but received no exposure to MFs. An independent person set the MF parameters that were unknown to the researcher. |
どちらのセットでも、ばく露群では対照群と比較して、細胞あたりの姉妹染色分体交換の数の有意な増加が認められた。データは、連続的な矩形波が最も多い姉妹染色分体交換をリンパ球に生じたことを示した。
超低周波電磁界ばく露と姉妹染色分体交換頻度の増加との機序的リンクを説明し得るモデルとして、複製フォークでのDNA架橋が提唱されている。
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