医学／生物学の研究 (experimental study)

[脂質過酸化、精子数、p53、微量元素に対するELF磁界の影響] med./bio.

Effect of ELF magnetic fields on lipid peroxidation, sperm count, p53, and trace elements

著者: Akdag Z, Dasdag S, Aksen F, Isik B, Yilmaz F

掲載誌: Med Sci Monit 2006; 12 (11): BR366-BR371

疫学研究や実験研究から、超低周波磁界（ELF MF）とがん、免疫抑制、生殖毒性や異常などの健康を害する疾病との関係が示唆されている。ここでの目的は、ラットにおける精子数、Malondialdehyde、精巣、脳、肝臓や腎臓などの組織、骨髄のp53免疫活性度、Cu+2., Zn+2, Mn+2, とFe+3などの血清中での濃度に対するELF磁界（1.35 mT）の影響を調べることにある。オスのCDラット16匹を2つのグループに分け、実験群は1日2時間（1週間7日）で2ヶ月間、磁界にばく露した。対照のラットは磁界にばく露させなかった。ばく露はファラディケージ（130 x 65 x 80cm）で電気機器と遮蔽設置している。データの統計解析には、Mam-Whitney Uテストを用いた。その結果は、磁界は50Hzで1.35±0.018 mTの均一であり、高調波はなかった。この研究では、Mn+2濃度が上昇した以外は、ELF磁界の悪影響は観察されなかった。

研究目的（著者による）

ラットの精子数、マロンジアルデヒド濃度、精巣、脳、肝臓、腎臓等の臓器の組織学、骨髄のp53免疫応答、微量元素の血清濃度に対する、超低周波磁界の影響を調べること。

詳細情報

雄ラット16匹を調べ、8匹をばく露、8匹を対照とした。

影響評価項目

異なる生物学的影響（脂質過酸化、p53検出、精子数、微量元素の濃度）

ばく露

- 50/60 Hz (AC)
- 磁界

ばく露	パラメータ
ばく露1: 50 Hz ばく露時間: 2 h / day, 7 days / week for 2 months	磁束密度: 1.35 mT (+/- 0.018 mT)

ばく露1

主たる特性

周波数	50 Hz
タイプ	magnetic field
ばく露時間	2 h / day, 7 days / week for 2 months

ばく露装置

ばく露の発生源／構造	ソレノイド
チャンバの詳細	the animals were exposed in a Faraday cage of 130 x 65 x 80 cm with grounded shielding
ばく露装置の詳細	field produced by a 65 cm long solenoid with a diameter of 16 cm and two layers of insulated soft wire with a diameter of 1 mm which was wrapped 1250 times around a PVC pipe
Sham exposure	A sham exposure was conducted.

パラメータ

測定量	値	種別	Method	Mass	備考
磁束密度	1.35 mT	-	測定値	-	+/- 0.018 mT

ばく露を受けた生物:

動物
ラット／Sprague-Dawley
全身

方法影響評価項目／測定パラメータ／方法

分子生合成: 精巣、肝臓、腎臓及び脳組織におけるマロンジアルデヒド濃度（チオバルビツール酸法）
細胞生存力／細胞分裂/増殖: p53検出（免疫組織化学検査）
生殖系への影響: 精子数（血球計測定）
形態学/組織学的変化: 精巣、肝臓、腎臓、脳組織（ヘマトキシリン‐エオシン染色、光学顕微鏡検査）
微量元素（銅（Cu²⁺）、亜鉛（Zn²⁺）、マンガン（Mn²⁺）、鉄（Fe²⁺）の血清濃度（原子吸光分光分析法）

研究対象とした生物試料:

単離された生物学的／化学的物質
無傷細胞／細胞培養
組織片
精子、血清、組織ホモジネート

研究対象とした臓器系:

生殖の
脳／腫瘍
精巣、肝臓、腎臓、脳

調査の時期:

ばく露後

研究の主なアウトカム（著者による）

ばく露群におけるマンガンの血清濃度の上昇を除いて、本研究で測定したパラメータに統計的に有意な変化は認められなかった。

研究の種別:

医学／生物学の研究
experimental study
full/main study

研究助成

記載なし／研究助成なし

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