この研究は、ラット脳の脂質過酸化に対するEMFばく露および亜鉛投与の影響を調べた。24匹の雄Sprague-Dawleyラットをランダムに3群に分けた。対照群(n = 8)は、6か月間、未処置に維持された。EMFばく露群(n = 8)は、6か月間、1日おきに5分間の低周波(50 Hz)EMFばく露を受けた。EMF+亜鉛投与群(n = 8)は、6か月間、EMFばく露群と同様にばく露を受けつつ、毎日、硫酸亜鉛(3 mg / kg /日)の腹腔内投与を受けた。(n = 8)。血漿中の亜鉛およびチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)のレベル、および赤血球中の還元型グルタチオン(GSH)レベルを測定した。TBARSおよびGSHのレベルは脳組織でも測定された。その結果、血漿および脳組織のTBARSレベルは、亜鉛投与の有無にかかわらず、EMFばく露ラットの方が、対照ラットよりも高かった;さらに、TBARSレベルは、亜鉛投与されたラットの方がEMFばく露のみのラットよりも有意に低かった;GSHレベルは、EMFばく露群の脳および赤血球で有意に減少し、EMF+亜鉛投与群で最も高かった;血漿亜鉛は、対照群に比べEMFばく露群では有意に低かったが、EMF+亜鉛投与群では最も高かった;これら知見は、低周波EMFへの長期ばく露が脳内の脂質過酸化を増加させること、亜鉛補給によって改善される可能性があることを示唆する、と報告している。
電磁界ばく露によって生じ得る悪影響の中には、各種の組織での脂質過酸化及び細胞損傷がある。
24匹の雄を無作為に3群に分けた:1) 6か月間非処理(対照、n=8)、2) 低周波(50Hz)電磁界に1日おきに5分間、6か月間ばく露(n=8)、3) 電磁界ばく露及び硫酸亜鉛を毎日投与(3mg/kg/日)(n=8)。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
5 min exposure on every other day for 6 months
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Rats were divided into three groups (n=8/group): 1) Sham exposure group, 2) 50 Hz exposure group and 3) 50 Hz exposure + 3 mg/kg/day zinc sulfate.
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 5 min exposure on every other day for 6 months |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | single coil wrapped around the plastic cage (35 x 25 x 25 cm) |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
Additional information | Rats in one of the group received a daily intraperitoneal injection of 3 mg/kg zinc sulfate in isotonic saline solution of less than 0.5 ml for 6 months. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 5 µT | unspecified | 校正 | - | - |
TBARSレベルは、対照群よりも亜鉛補給あり、またはなしの電磁界ばく露ラットで高かった(血漿中及び脳組織の両方で)。加えて、TBARSレベルは電磁界ばく露ラットよりも亜鉛補給ラットで有意に低かった。
グルタチオンのレベルは電磁界ばく露ラットで有意に減少し、亜鉛補給ラットで最も高かった。
血漿中の亜鉛は対照群よりも電磁界ばく露ラットで有意に低く、亜鉛補給ラットで最も高かった。
このデータは、低周波電磁界への長期ばく露は脳内での脂質過酸化を増加させるが、これは亜鉛補給によって改善され得ることを示唆している。
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