この研究は、超低周波磁界(ELF-MF、50 Hz、0.5 mT)単独ばく露およびD-アンフェタミン(1.5 mg / kg)との組み合わせばく露が、ラットの脳の代謝に与える影響を調べた。ばく露は連続して7日間与えた。その結果、単独ばく露群および組み合わせばく露群のどちらにおいても、脳領域のグルタチオン含有量は減少した;擬似ばく露群に比べ、ELF-MFばく露群の前頭皮質のグルタチオン含有量は有意に減少した;しかし、この減少は、ELF-MFばく露と同時にアンフェタミンを投与した場合には、正常に復した;この群では、脳幹および小脳のグルタチオン含有量が増加した(擬似ばく露、ELM-MF単独ばく露、およびアンフェタミン処置群と比較して有意);観察されたグルタチオンの減少変化には、生体モノアミンが関与していることが示唆されたが、検査された脳の領域で変化は一様ではなかった、と報告している。
アンフェタミンは還元型グルタチオン量を増加させることができ、アンフェタミンの酸化促進作用が報告されている。
4グループのラット(それぞれn=6)のうち2グループをばく露(残りの2グループは偽ばく露)し、ばく露(または偽ばく露)直後に、2グループ(ばく露及び偽ばく露)をD-アンフェタミンで処理した。
ばく露 | パラメータ |
---|---|
ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 7 day
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磁界ばく露は、大脳皮質のみでグルタチオンの有意な低減を生じた。アンフェタミン単独では、グルタチオン量を変化させなかった。超低周波電磁界ばく露後にアンフェタミンを投与した場合、電磁界ばく露によって生じた大脳皮質でのグルタチオン欠乏が完全に防止された。更に、「磁界ばく露+アンフェタミン」で処理した動物では、他のグループ(偽ばく露、電磁界ばく露単独、アンフェタミン単独)と比較して、脳幹及び小脳でのグルタチオン量が増加した。
このデータは、観察されたグルタチオン量の変化には生体モノアミンが関与していることを示している。この変化は調査した脳の部位において一様ではない。
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