この研究は、ラットの脳のアポトーシスと酸化ストレス値に対する超低周波磁界(ELF-MF)の影響を調べた。ラットは、100または500 μTのELF-MFへの1日2時間のばく露を10か月間受けた。切断型(活性化)カスパーゼ-3を検出するために脳組織を免疫組織化学的に染色し、半定量的スコアリングシステムによってアポトーシス指数を測定した。さらに、カタラーゼ(CAT)、マロンジアルデヒド(MDA)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、総抗酸化能(TAC)、総酸化状態(TOS)、および酸化ストレス指数(OSI)のレベルを測定した。その結果、アポトーシスの最終的スコアおよびMPO活性には、2つのばく露群および擬似ばく露対照群の各群間で有意差がなかった;CAT活性は2つのばく露群で有意に低下したが、TACはELF-100 μT群および擬似ばく露群に比べ、ELF-500 μT群で有意に低かった;MDA、TOS、およびOSIの値は、ELF-100 μT群および擬似ばく露群に比べ、ELF-500 μT群で有意に高かった;以上の知見は、長期のELF MFばく露は、アポトーシスに変化を起こさなかったが、酸化ストレス増加と抗酸化防御システム減弱を生じさせ、ラットの脳に毒性作用を誘発することが示された、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 2 hr/day, 7 days/week, for 10 months |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of Helmholtz coils with a diameter of 25 cm made of 225 turns of soft copper wire with a diameter of 1 mm; coils placed horizontally facing each other; Plexiglas cage with rat positioned within the Helmholtz coil system inside a 130 cm x 65 cm x 80 cm Faraday cage |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
各群のアポトーシス及びミエロペルオキシダーゼ酵素活性には有意差はなかった。カタラーゼ酵素活性はどちらのばく露群でも低下したが、総抗酸化能は100µTばく露群及び偽ばく露群よりも500µTばく露群で低かった。マロンジアルデヒド、総オキシダント状態、酸化ストレス指数の値は、100µTばく露群及び偽ばく露群よりも500µTばく露群で高かった。
著者らは、超低周波磁界への長期ばく露によってアポトーシスは変化しなかったが、100µT及び500µT超低周波磁界への長期ばく露は、酸化ストレスを増加させ、抗酸化防御系を弱めることで、ラットの脳に毒性影響を生じた、と結論付けている。
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