【背景】極低周波の電磁界(EMF)に職業的にばく露されることは神経変性疾患の潜在的要因であると、いくつかの研究が特定したが、根拠は矛盾を孕んでおり、決定的ではない。【方法】我々は、これらの関連性を探求するために、一つのコホート研究を行った。スウェーデン1980国勢調査において、経済的に活動している人々を研究した(対象者4812646人)。つづいて、それらの人々のうち、1981年から1995年にかけ、神経変性疾患により死亡した数を追跡した。職業に関する情報は、1970年版と1980年版によって入手できた。EMFばく露を評価するために、磁界測定に基づいた職業ばく露マトリックスが用いられた。【結果】アルツハイマー病による死亡数の増大したリスクが、1970年も1980年もばく露されていた男性群に認められた(相対リスク=2.3, 95% 信頼区間=1.6-3.3 ≧0.5 μTにおいて)。関連性の最も顕著であったのは、早発型アルツハイマー病による死亡数であり、また、資料に見える退職後10年を年限とする追跡調査を行った場合であった。筋萎縮性側索硬化症はEMFばく露とは関連付けられなかったが、「電気および電子関係労働」についてのリスク見積もりは、1.4 (95% 信頼区間=1.1-1.9)であった。【結論】我々の研究は、EMFばく露が早発型アルツハイマー病のリスクを増大させるという仮説に幾分かの支持を与え、磁界ばく露が発病プロセスにおいて、後になって効果を表わす影響でありうることを示唆する。電気ショックは、「電気および電子関係労働」における筋萎縮性側索硬化症の増大したリスクの説明にはなりにくい。
グループ | 説明 |
---|---|
集団 1 | ≤ 0.11 µT |
集団 2 | 0.12 - 0.19 µT |
集団 3 | 0.20 - 0.29 µT |
集団 4 | ≥ 0.30 µT |
集団 5 | ≥ 0.50 µT |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 4,812,646 |
評価可能 | 21,050 |
男性及び女性におけるアルツハイマー病の死亡率は 0.3 µT の電磁界ばく露と関連していなかった。0.5 µT 超にばく露された男性にはリスク上昇が認められた。電磁界レベルに関して、筋萎縮性側索硬化症のリスク上昇はなかった。
死亡証明書を用いた場合、疾患の発症日についての入手可能な情報がない。更に、神経変性疾患は死亡証明書で常に言及されるとは限らないないので、誤分類の問題がある。職業に関する情報は1970年と1980年についてしか入手可能ではなかった。
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