研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[筋萎縮性側索硬化症発症の家族性、環境性および職業性のリスク要因] epidem.

Familial, environmental, and occupational risk factors in development of amyotrophic lateral sclerosis

掲載誌: N Am J Med Sci 2012; 4 (8): 350-355

この研究は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症における環境性、職業性、および家族性のリスク因子の役割を評価するために設計された症例対照研究である。症例110人はALSの確定診断の患者、対照240人は、患者と年齢と性別を一致させて抽出された。両群に対して実施した調査の項目は、家族歴、職業、居住地、飲料水の水源、工業・化学・農業的な有毒物質および重金属へのばく露、身体の外傷および電撃傷、10年以上にわたる磁界下での作業である。すべての患者一人一人に、臨床検査、電気生理学的および神経画像検査を行った。データ分析には、カイ二乗検定ロジスティック回帰分析、およびオッズ比OR)計算を用いた。その結果、農村生活(OR = 1.99)、喫煙(OR = 1.88)、殺虫剤と農薬へのばく露OR = 1.61)、電撃傷OR = 6.2)が筋萎縮性側索硬化症の発症に関連するリスク因子として検出された、と報告している。

研究の目的(著者による)

筋萎縮性側索硬化症の発症における家族性、環境的及び職業的リスク要因を調査するため、インドにおいて症例対照研究を実施した。

詳細情報

電磁界に関連する以下の側面を調査した:磁界の下での10年超の作業及び電撃傷害。更に、疾病の家族歴、喫煙、職業、居住地(農村部/都市部)、飲料水の水源、殺虫剤、農薬、重金属(鉄)、溶剤化学物質へのばく露を調査した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 110 240
統計学的分析方法:

結論(著者による)

電撃損傷について、症例8人及び対照3人に基づき、筋萎縮性側索硬化症の発症の有意なリスク上昇が認められた(OR 6.2;CI 1.75-21.98)。磁界の下での作業履歴については症例が認められなかったため、この要因は分析できなかった。
農村部での居住(OR 1.99;CI 1.02-3.88)、喫煙(OR 1.88;CI 1.19-2.96)、殺虫剤及び農薬ばく露OR 1.61;CI 1.27-1.99)について、有意な関連が認められた。

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