研究のタイプ: 疫学研究

[イタリアの2つの人口集団における高圧電力線からの磁界ばく露と筋萎縮性側索硬化症のリスク] epidem.

Magnetic fields exposure from high-voltage power lines and risk of amyotrophic lateral sclerosis in two Italian populations

掲載誌: Amyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener 2017; 18 (7-8): 583-589

先行研究では筋萎縮性側索硬化症(ALS)が磁界ばく露と関連付けられているが、一般公衆におけるその証拠は弱い。但し、影響なしの結果はばく露の誤分類のせいだったかも知れず、あるいは、関連は一部のサブグループにしか存在しないかも知れない。そうした仮説を検証するため、イタリア北部および南部の二地域で、1998-2011年に新たに診断されたALSの症例703人、および調査地域の住民から無作為抽出された対照2737人を含む、人口集団ベースの症例対照研究が実施された。その結果、全体として、高圧電力線の近隣での居住(磁界が≥0.1 μTの範囲内の回廊地帯)と、ALSの過剰リスクとの関連は認められなかった。また、回廊を0.1、0.2および0.4 μTのカットポイントで分割した場合、量反応関係は認められなかった。これらの結果は、発症時の年齢、診断期間、性別、地域、ばく露期間を考慮した場合にも確認された。著者らは、測定されなかった交絡因子、または特定されなかった感受性のある小規模のサブグループが存在する可能性は残されているものの、これらの結果は、電力線からの一般公衆の磁界ばく露はALSのリスク上昇とは関連していないということを確認するものと思われる、と結論付けている。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 magnetic flux density: < 0.1 µT
集団 2 magnetic flux density: 0.1 - < 0.2 µT
集団 3 magnetic flux density: 0.2 - < 0.4 µT
集団 4 magnetic flux density: ≥ 0.4 µT
参照集団 5 magnetic flux density: < 0.1 µT
集団 6 magnetic flux density: ≥ 0.1 µT

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
合計 718 2,872
評価可能 703 2,737
統計学的分析方法: (調整: )

研究助成

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