先行研究では筋萎縮性側索硬化症(ALS)が磁界ばく露と関連付けられているが、一般公衆におけるその証拠は弱い。但し、影響なしの結果はばく露の誤分類のせいだったかも知れず、あるいは、関連は一部のサブグループにしか存在しないかも知れない。そうした仮説を検証するため、イタリア北部および南部の二地域で、1998-2011年に新たに診断されたALSの症例703人、および調査地域の住民から無作為抽出された対照2737人を含む、人口集団ベースの症例対照研究が実施された。その結果、全体として、高圧電力線の近隣での居住(磁界が≥0.1 μTの範囲内の回廊地帯)と、ALSの過剰リスクとの関連は認められなかった。また、回廊を0.1、0.2および0.4 μTのカットポイントで分割した場合、量反応関係は認められなかった。これらの結果は、発症時の年齢、診断期間、性別、地域、ばく露期間を考慮した場合にも確認された。著者らは、測定されなかった交絡因子、または特定されなかった感受性のある小規模のサブグループが存在する可能性は残されているものの、これらの結果は、電力線からの一般公衆の磁界ばく露はALSのリスク上昇とは関連していないということを確認するものと思われる、と結論付けている。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | magnetic flux density: < 0.1 µT |
集団 2 | magnetic flux density: 0.1 - < 0.2 µT |
集団 3 | magnetic flux density: 0.2 - < 0.4 µT |
集団 4 | magnetic flux density: ≥ 0.4 µT |
参照集団 5 | magnetic flux density: < 0.1 µT |
集団 6 | magnetic flux density: ≥ 0.1 µT |
症例 | 対照 | |
---|---|---|
合計 | 718 | 2,872 |
評価可能 | 703 | 2,737 |
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。