この研究は、遺伝毒性のスクリーニング法であるSHE細胞を用いたインビトロでの小核(MN)試験により、50 Hz磁界(MF:1 mT)の発がん性を評価した。MFの他に、イニシェータであるベンゾ(a)ピレン(BP)またはプロモータである12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(TPA)の3つを、それぞれ単独、2つ併用、3つ併用で適用した。その結果、MFまたはTPA(1 nM)単独は、イニシェートおよび非イニシェートのSHE細胞でのMNの数に影響しなかった;典型的なイニシェート・プロトコルのスケジュール変更(すなわちMFばく露中にイニシェータ(BP)を適用)は、BP処理単独と比較して、MN形成を1.8 倍の増加させた;BP、TPAおよびMFを組み合わせることによりそれ以上のMN形成を生じさせることはなかった、と報告している。
超低周波電磁界の発がん性/補助的発がん性を推定するため、細胞を更に、ベンゾピレン(イニシエータとして)及び/またはテトラデカノイルホルボールアセテート(TPA、発がん補助物質として)ばく露、+超低周波電磁界にばく露/非ばく露した。
実験を3-5回反復した。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
24, 48, 72 h
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cell cultures were treated with i) only EMF ii) EMF + benzpyrene iii) EMF + tetradecanoylphorbol-acetate iv) EMF + benzpyren + tetradecanoylphorbol-acetate
磁界ばく露細胞には統計的に有意な影響は認められなかった。
磁界またはTPA(1nM)単独では、小核の数に影響しなかった。共ばく露(72時間の磁界ばく露中に24時間のベンゾピレン処理)は、48時間のベンゾピレン単独処理と比較して、小核形成が1.8倍増加した。ベンゾピレン、TPA及び磁界の共ばく露では、更なる小核形成は生じなかった。
磁界ばく露(72時間)中のベンゾピレン処理(24時間)は小核形成に有意な増加を生じたことから、これらの結果は、磁界がベンゾピレンのイニシエーション過程を強化することを示唆するものである。
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