この研究は、超低周波電磁界(ELF-EMF)がマウスマクロファージの細胞機能および免疫学的パラメータに影響を与えるか否かを調べた。ばく露には、50 Hzの磁界(MF)を用い、磁束密度、ばく露時間を変えて、いくつかの影響評価項目を評価した。分化したマクロファージにおける食作用活性については、1.0 mT、45分間ばく露により、ばく露群において、対照群に比べてラテックスビーズの取り込みが1.6倍に増加するような食作用活性の上昇が見られた。インターロイキン1β(IL1β)産生については、1.0 mT、45分間ばく露終了から24時間後に、マクロファージからのIL1β放出増加が観察され、それに先立ってIL1β産生が4時間後から有意に増加し、24時間後には対照群に比べ12.3倍まで増加した。1.0 mT MFの遺伝毒性能力については、長期ばく露(12、24、および48時間)後の小核(MN)形成により評価したが、ばく露細胞におけるMN形成または不規則な有糸分裂活動に有意差はなかった。磁束密度(0.05〜1.0 mT;45分間ばく露)によるマウスマクロファージ前駆細胞での細胞活性に対する影響の違いをフリーラジカル形成試験で分析したが、実験したすべての磁束密度でフリーラジカルの形成は有意に活性化されることが示された。以上の知見から、マウスマクロファージにおいて、ELF-EMFは、遺伝毒性は与えずに、細胞活性化をもたらす可能性を示す、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 45 min |
Additional information | horizontally polarized |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | A Helmholtz coil system which was described previously [Rollwitz et al., 2004] was situated in a 37°C humidified incubator with 5% CO2. |
ばく露装置の詳細 | Cell culture plates were placed in the center of the Helmholtz system or in a control incubator. |
Additional information | Exposure to 1 µg/ml LPS or 1 µM TPA was used as positive control. |
対照群と比較して、磁界ばく露は食作用活性の上昇につながった(1.6倍増)。
24時間のばく露後、マクロファージにおけるインターロイキン-1β の放出の増加が認められた。対照群と比較して、時間依存性のインターロイキン-1β 形成は4時間後に既に有意に増加し、24時間後に最大の12.3倍増に達した。
データは、ばく露細胞における小核形成または不規則な有糸分裂活性には有意差はないことを示した。
調査した全ての磁束密度(0.05-1.0mT、45分間)は、フリーラジカル形成を有意に刺激した。
結論として、著者らは、超低周波電磁界がマウスのマクロファージにおいて生理学的な細胞機能(食作用活性、フリーラジカル放出、インターロイキン-1β 産出の有意な上昇によって示される)を刺激する能力を証明し、これらの磁界が遺伝毒性作用なしに細胞を活性化する能力を示唆している。
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