この研究は、超低周波(ELF)磁界が成獣の雌Spague-Dawleyラットの性ホルモンに与える影響を調べた。成獣のメスのラットは、50 Hz、約25 μT(rms)の正弦波磁界に18週間継続してばく露を受けた後、無ばく露の交配相手と共に通常の生活に戻された。黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、プロゲステロン、およびエストロゲンの血清レベルを、ばく露前、ばく露後、およびばく露中に測定した。その結果、体重および子宮重量は磁界ばく露の影響を受けなかった;擬似ばく露対照群と比較した場合、ばく露群の絶対的および相対的な卵巣重量は有意に減少した;ゴナドトロピン(FSHおよびLH)レベルの低下は、6週間のばく露後に有意であった;LHは12週から18週までの間で影響が続いたが、、FSHレベルはばく露の6週でのみ影響が見られた;磁界ばく露終了から6週間後および12週間後において、有意な影響は見られなかった;プロゲステロンとエストロゲンのレベルは、12週間のばく露後に有意に低下したが、それ以外ではばく露中にもばく露終了後にもプロゲステロンレベルへの影響は観察されなかった;エストロゲンのレベルは、ばく露終了から12週間後において有意に低下した、と報告している。
12匹の動物を50Hz正弦波磁界に18週間(24時間/日)ばく露し、12匹を偽ばく露した。その後磁界を除去し、屠殺前に更に12週間、ラットをケージに残した。6週ごとに血液サンプルを採取した:磁界の適用前、ラットのばく露期間中に3回、磁界除去後のフォローアップ期に2回。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 24 h/day for 18 weeks |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | set of rectangualr coils with 10 turns each and a separation of 37.5 cm; 48 cm x 26 cm x 15 cm polypropylene cages in the center of the coil system |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
体重及び子宮重量への磁界の影響はなかった。偽ばく露対照群と比較して、ばく露ラットの卵巣重量には有意な減少が認められた。6週間のばく露後の卵胞刺激ホルモン及び黄体形成ホルモンのレベルの低下は有意であった。卵胞刺激ホルモンのレベルはばく露の6週後にのみ影響されたが、黄体形成ホルモンは12-18週にも影響が残った。磁界の除去から6及び12週後には有意な影響は認められなかった。プロゲステロン及びエストロゲンのレベルはばく露の12週後に有意に低下したが、ばく露中または磁界除去後にはプロゲステロンのレベルに対するその他の影響は認められなかった。
これらの結果は、哺乳類の繁殖及び生殖に対して悪影響があるかも知れないことを示唆している。性ホルモンに対する超低周波磁界の影響は、部分的に可逆的であることが示された。
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