この研究は、BALB / cマウスに、14または200 μTの超低周波(ELF)磁界(MF)の16週間の連続ばく露を与え、マウスの精巣胚細胞アポトーシスが誘発されるか否かを調べた。著者らは、先行研究(0.1または0.5 mTで8週間の連続ばく露)で、マウス精巣胚細胞アポトーシス誘発の可能性を報告しており、今回の実験はその拡張である。その結果、マウスの体重とテストステロンレベルに対するMFの有意な影響は見られなかった;TUNEL染色(in situターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを介したデオキシUTPニックエンドのラベリング)では、擬似ばく露対照群に比べ、ばく露群の生殖細胞で、有意に高いアポトーシス率が示された(P < 0.001); TUNEL陽性細胞は主に精原細胞であった;電子顕微鏡検査により、変性した精原細胞ではアポトーシスと同様の核クロマチン凝縮が示された;以上の知見は、14 μTの60 Hz MFの連続ばく露によって、マウスの精子形成細胞にアポトーシスが誘導される可能性が示された、と報告している。
周波数 | 60 Hz |
---|---|
タイプ |
|
ばく露時間 | continuous for 24 h/day for 16 weeks |
ばく露の発生源/構造 | |
---|---|
ばく露装置の詳細 | three parallel rectangular coils 1000 mm wide and 550 mm deep, distance between coils = 300 mm; each coil consisting of 150 turns of 1.6 mm wire wound horizontally around an acrylic frame; polycarbonate cages placed on a wooden frame in the center of the lower and middle coil |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
精巣胚細胞のアポトーシスは、偽ばく露対照群と比較して、ばく露マウスの精原細胞で有意に増加した。電子顕微鏡検査では、劣化した精原細胞にアポトーシスに似た核クロマチンの凝縮が見られた。マウスの体重及びテストステロンのレベルに対する磁界の有意な影響はなかった;ゆえに、精巣胚細胞のアポトーシスにはホルモンは介在しないであろう。14µTばく露マウスでは、精巣の重量が対照群よりも有意に低下した。
この結果は、60Hz、14µTの磁界への連続ばく露により、マウスの精原細胞にアポトーシスが生じたかも知れないことを示している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。