研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[マウスの精巣生殖細胞のアポトーシスに対する60Hz、14μTの磁界の影響] med./bio.

Effects of 60 Hz 14 microT magnetic field on the apoptosis of testicular germ cell in mice

掲載誌: Bioelectromagnetics 2009; 30 (1): 66-72

この研究は、BALB / cマウスに、14または200 μTの超低周波(ELF)磁界MF)の16週間の連続ばく露を与え、マウスの精巣胚細胞アポトーシス誘発されるか否かを調べた。著者らは、先行研究(0.1または0.5 mTで8週間の連続ばく露)で、マウス精巣胚細胞アポトーシス誘発の可能性を報告しており、今回の実験はその拡張である。その結果、マウスの体重とテストステロンレベルに対するMFの有意な影響は見られなかった;TUNEL染色(in situターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを介したデオキシUTPニックエンドのラベリング)では、擬似ばく露対照群に比べ、ばく露群の生殖細胞で、有意に高いアポトーシス率が示された(P < 0.001); TUNEL陽性細胞は主に精原細胞であった;電子顕微鏡検査により、変性した精原細胞ではアポトーシスと同様の核クロマチン凝縮が示された;以上の知見は、14 μTの60 Hz MFの連続ばく露によって、マウスの精子形成細胞アポトーシス誘導される可能性が示された、と報告している。

研究目的(著者による)

マウスの精巣細胞のアポトーシスに対する14µTまたは200µTの超低周波磁界への16週間の連続ばく露の影響を調べること。

詳細情報

60匹の雄マウスを2つのばく露群及び1つの対照群に分けた。14µTばく露は、韓国の電力線下で測定された最大値が14µT未満であることから選択した。200µTばく露陽性対照とした。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: continuous for 24 h/day for 16 weeks

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 24 h/day for 16 weeks
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 three parallel rectangular coils 1000 mm wide and 550 mm deep, distance between coils = 300 mm; each coil consisting of 150 turns of 1.6 mm wire wound horizontally around an acrylic frame; polycarbonate cages placed on a wooden frame in the center of the lower and middle coil
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 14 µT - 測定値 - -
磁束密度 200 µT - 測定値 - -

Reference articles

  • Lee JS et al. (2004): [60 Hz電磁界ばく露がマウス精巣生殖細胞のアポトーシスに与える影響]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

精巣細胞のアポトーシスは、偽ばく露対照群と比較して、ばく露マウスの精原細胞で有意に増加した。電子顕微鏡検査では、劣化した精原細胞アポトーシスに似た核クロマチンの凝縮が見られた。マウスの体重及びテストステロンのレベルに対する磁界有意な影響はなかった;ゆえに、精巣細胞のアポトーシスにはホルモンは介在しないであろう。14µTばく露マウスでは、精巣の重量が対照群よりも有意に低下した。
この結果は、60Hz、14µTの磁界への連続ばく露により、マウスの精原細胞アポトーシスが生じたかも知れないことを示している。

研究の種別:

研究助成

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