この研究は、Wistarラットの脛骨骨髄細胞に超低周波磁界(ELF-MF)ばく露を与え、遺伝毒性および細胞毒性の可能性を染色体異常(CA)および小核(MN)試験により評価し、有糸分裂指数(MI)、および多染性赤血球(PCE)の正常染色性赤血球(NCE)に対する比率も調べた。Wistarラットは、ヘルムホルツコイルシステムによって生成された水平方向の50 Hz、1 mTの均一磁界に、急性ばく露(1日4時間)および長期ばく露(4日間で45時間)した。マイトマイシンC処理群(MMC、2 mg / kg BW)を陽性対照とした。その結果、染色体への影響には、対照群、急性ばく露群および長期ばく露群の間に有意差が見られなかった;長期ばく露群での平均CAは、対照群および急性ばく露群のものに比べて高かったが、統計学的に有意ではなかった;長期ばく露群での平均小核頻度は、対照群および急性ばく露群のものに比べ有意に高かった;骨髄のMIは、急性ばく露群および長期ばく露群のどちらの平均値も、対照群に比べ有意に低下したが、急性および長期ばく露による有意差はなかった;急性ばく露群のPCE / NCE比の平均は、対照群および長期ばく露群のものより有意に低かった;さらに、長期ばく露群での平均のPCE / NCE比は、対照群よりも有意に低かった;なお、MMC処理群では、他のすべての群に比べ、CAの数およびMN形成頻度が有意に高く、MIおよびPCE / NCE比は有意に低かった、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
experiment 1: 4 h continuous; experiment 2: 4 h/day for 45 days
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rats were treated in four groups: i) short time exposure to EMF ii) long time exposure to EMF iii) sham exposure iv) positive control: injection of 2 mg/kg Mitomycin C
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | experiment 1: 4 h continuous; experiment 2: 4 h/day for 45 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | Helmholtz coil system consisting of coils with 42.75 cm diameter and a clearance of 21.375 cm, made of 160 turns of insulated copper wire; 26 x 17 x 13 cm polycarbonate cages in the center of the coils |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | - | 測定値 | - | +/- 0.05 mT |
遺伝毒性に関する結果では、陰性対照とばく露群に染色体異常についての統計的有意差は認められなかった。但し、長期ばく露群では陰性対照群及び短期ばく露群と比較して、平均小核頻度が統計的に有意に高かった。
両方の磁界ばく露群の骨髄における有糸分裂指数は、陰性対照群と比較して、有意に低下した。加えて、両方の磁界ばく露群では、骨髄の細胞毒性(低下)が、多染性赤血球/正染性赤血球の比率によって認められた。
これらの結果は、超低周波磁界へのばく露には、哺乳類の骨髄細胞に対して遺伝毒性及び細胞毒性があるかも知れないことを示している。
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