この研究は、ボランティア実験で60 Hz、200 μTの磁界ばく露を受けた健康な被験者の末梢血中の有核細胞の損傷の程度を調べた。ばく露群(10人の男性と10人の女性の健康な被験者)と擬似ばく露群(5人の男性と5人の女性の健康な被験者)で実験は構成された。ばく露群は、60 Hz、200 μTの磁界への全身ばく露を4時間受けた。擬似ばく露群は、磁界ばく露以外はばく露群と同様に扱われた。各被験者は、ばく露(または擬似ばく露)の前および終了時に採血された。ばく露前の血液サンプルは取り分けて、陰性対照群および陽性対照群(1.5 Gyのコバルト60ガンマ線照射)とした。サンプルの末梢ヒト血液白血球でのDNA損傷の程度をアルカリコメットアッセイで評価した。染色体異常誘発効果については、フィトヘマグルチニン(PHA)刺激したリンパ球での小核(MN)発生率を細胞質分裂ブロック小核アッセイで評価した。その結果、磁界ばく露群において、DNA損傷の増加もMN発生率の増加も証拠が示されなかった;しかし、1.5Gyガンマ線のインビトロばく露を受けた陽性対照群では、DNA損傷とMN誘導の両方が有意に増加した、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
continuous for 4 h
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周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 4 h |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | three orthogonal coil pairs of which only the vertical one with a separation of 1.5 m x 0.75 m was used |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 200 µT | - | 測定値 | - | - |
磁界ばく露群におけるDNA損傷の増加、または小核形成頻度の増加の証拠はなかった。但し、1.5Gyのガンマ線へのイン・ビトロばく露は、DNA損傷及び小核形成の両方に有意な増加を生じた。
結論として、200µT、60Hz磁界への4時間の急性の全身ばく露が、ヒトの血液においてDNA損傷を生じ得るという証拠は認められなかった。
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