この研究は、マウスでの電離放射線誘発によるリンパ腫およびその他の造血性腫瘍の発生に対する60 Hz円偏波磁界への慢性的ばく露の影響を評価した。雌C57BL/6マウスは、2つのばく露条件(1.42 mTで18時間/日、0.13 µTの環境磁界で24時間/日))のどちらかの条件で生涯ばく露を受けた。ばく露の初日の開始時に、1710匹のマウスは、3つレベルの分割線量コバルト60ガンマ線処置(累積3.0、4.0または5.1Gy)のうちの1つを受けた。残りの570匹のマウスはガンマ線照射の擬似処置を受けた。10種類のリンパ組織切片について、組織病理学的に造血系新生物の評価を行った。最初に、Poly3法を用いて、磁界ばく露群と対照群でのリンパ腫発生率を比較した。次に、コックス比例ハザードモデルを用いて、新生物のタイプ別に、死亡および発症の発生率を分析した。その結果、ガンマ線処置により死亡率が増加し、ガンマ線処置マウスではすべての新生物が擬似処置マウスより早く観察された;しかし、造血系新生物の生涯発生率は、ガンマ線擬似処置群も含め、すべての実験群で似ていた;同じレベルのガンマ線処置を受けたマウスにおいて、磁界の慢性ばく露は、死亡率に影響せず、造血系新生物の相対的発生率も変化させなかった(例外は、5.1 Gy処置および磁界ばく露群でのリンパ芽球性リンパ腫の相対的リスク低下(わずかに有意))、などの知見を報告している。
ばく露 | パラメータ |
---|---|
ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
lifetime exposure, 18 h/day
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死亡率は磁界によって上昇しなかった。ばく露群と偽ばく露対照群で造血器新生物の相対発生率は変化しなかった。5.1Gyと磁界にばく露されたマウスで、リンパ芽球性白血病の相対リスクの僅かに有意な低下が認められた。
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