この研究は、妊娠ラットに900 MHz電磁界の出生前ばく露(EMF:ラットの入ったボックス内での電界強度は妊娠13日から21日まで1日1時間)を行い、ばく露群および擬似ばく露群から生まれた21日齢の雄ラットの心臓の組織学的パラメータを比較した。母ラットのばく露レベル(ラットの入った状態でのボックス内レベル)は、電界強度13.77V/m、電力密度0.50 W/m2であった。その結果、ばく露群から生まれた仔ラットの心臓組織では、マロンジアルデヒド(MDA)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)およびカタラーゼ(CAT)のレベルは有意に上昇し、グルタチオンのレベルは低下した;光学顕微鏡検査では、心筋線維の不規則性およびアポトーシス的変化が見られた;電子顕微鏡検査では、ミトコンドリアの稜の消失および膨化、筋原線維変性、構造異常などが見られた、と報告している。
周波数 | 900 MHz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 1 hour/day from day 13 to 21 of pregnancy |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | plexiglass jar (30 cm x 42 cm x 50 cm) |
ばく露装置の詳細 | setup consisted of an oscillator connected to a half-wave dipole antenna (1 mm x 15 cm copper rod) using a coaxial cable; the antenna was installed centrally approximately 11 cm into the open end of the jar |
ばく露群では、光学顕微鏡法で心筋線維における不規則性、変性、空胞化および細胞核消失が観察されたが、対照群ではこれらは存在しなかった。その上、ばく露群では対照群に比べ、アポトーシス的変化をした細胞の数が有意に多かった。
ばく露群では、電子顕微鏡検査で心筋細胞でのミトコンドリアおよび筋原線維の異常などが見られたが、対照群では見られなかった。
ばく露群では、対照群に比べ、脂質過酸化およびスーパーオキシドジスムターゼとカタラーゼの酵素活性が有意に上昇し、グルタチオン減少量は有意に低下した。
著者らは結論として、「ラットの 900 MHz電磁界への出生前ばく露は、心臓に酸化ストレスおよび病理学的変化を引き起こす可能性がある」と述べている。
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