著者:
Wang Y, Liu X, Zhang Y, Wan B, Zhang J, He W, Hu D, Yang Y, Lai J, He M, Chen C
掲載誌: Biol Open 2019; 8 (8): bio041293
この研究は、超低周波(ELF)磁界へのばく露が心筋細胞にDNA損傷を生じるかどうかを、イン・ビトロ及びイン・ビボで調べた。ヒト心室心筋細胞を100 µT の50 Hz ELF磁界に1時間連続で、または75分間間欠的にばく露し、その影響をDNA損傷、酸化還元状態の変化、相対シグナル分子発現によって評価した。更に、雄のSprague-Dawleyラット10匹を100 µT の50 Hz ELF磁界に7日間ばく露し、別のラット10匹を擬似ばく露した。心臓組織におけるp53及びHsp70タンパク質のレベルをウェスタンブロットで分析した。その結果、ELF磁界はDNA損傷、細胞周期分布の変化、または活性酸素種のレベル上昇を生じないことが示された。イン・ビトロでもイン・ビボでも、磁界ばく露群と疑似ばく露群におけるp53及びHsp70の発現レベルに有意差は認められなかった。これらのデータは、電力周波数の磁界は心筋細胞にDNA損傷を生じないことを示すものである、と著者らは結論付けている。