【目的】 極低周波電磁界(ELF-EMF)が発する非電離放射線にばく露された哺乳類体細胞の遺伝子損傷はどの程度か、その定量的な概算を得ること。そして、その結果を、ばく露されなかった対照群の細胞のそれと比較すること。以上の目的のために、メタ・アナリシスが行われた。【方法】このメタ・アナリシスに用いられた方法は、いくつかの標準的テキストブックで推奨されていたものである。ELF-EMF ばく露の特徴に関する3つの特殊な変数が、このメタ・アナリシスの中で吟味された:(ⅰ)周波数(Hz)、(ⅱ)磁束密度(mT)、(ⅲ)職業的にばく露される人々に関するもの。【結果と結論】 (1)ELF-EMF にばく露された細胞と、されない対照群の細胞との違い、さらに、ELF-EMF にばく露されたことで受けた「影響のサイズ」、これらはともに生物学的にいって小さなものであった(ただし、統計上には顕著に現れている)。また、ごくごく稀に、例外もあった。(2) ある種の条件下の ELF-EMF ばく露においては、何らかの終点から査定したとき、遺伝子損傷に統計上顕著な増加が見られた。(3)ELF-EMF ばく露を受けた細胞についても、受けなかった対照群の細胞についても、染色体異常の平均指数である細胞小核の終点での個数は、歴史的データベースの中で報告されている自然な発生レベルの範疇であった。(4)公表バイアスにかなう考慮すべき証拠が、このメタ・アナリシスにおいて見出された。
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