この研究は、50 Hz、1 mTの磁界(MF)が細胞周期全般に与える影響を調べた。具体的には、ヒト羊水細胞を用いて、S期のDNA合成、G1期の調節タンパク質であるCdk4、サイクリンD1、p16INK4a、p21CIP1への影響を調べた。その結果、BrdU取り込みアッセイにより、MFばく露を受けた培養細胞におけるS期細胞の有意な減少が認められた;Cdk4のタンパク質レベルは、磁界ばく露の影響を受けなかったが、サイクリンD1の発現低下が、24時間および30時間のばく露後に見られた;p16INK4aのレベルは、ばく露から1時間および12時間後に増加した;p21CIP1の発現は、ばく露から6時間および12時間後に増加した;2つのCdk阻害因子(p16INK4a、p21CIP1)のレベル低下は、より長いばく露時間(24時間および30時間)で観察された;これらの知見から、MFによるG1期の抑制的影響は、p16INK4aとp21CIP1の発現が変化することによって引き起こされることが示唆された、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
---|---|
タイプ |
|
ばく露時間 | continuous for 24 h |
ばく露の発生源/構造 | |
---|---|
チャンバの詳細 | CO2 incubator |
ばく露装置の詳細 | Cells were placed in the central area of the coils where the magnetic field was uniform |
Additional information | Control cultures were kept in an identical incubator without the Helmholtz coils |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
磁束密度 | 1 mT | - | 測定値 | - | - |
周波数 | 50 Hz |
---|---|
タイプ |
|
ばく露時間 | continuous for 30 h |
ばく露の発生源/構造 |
|
---|
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
磁束密度 | 1 mT | - | 測定値 | - | - |
磁界ばく露はS期の細胞の有意な低下につながる。Cdk4タンパク質のレベルは変化しなかった。サイクリンD1タンパク質のレベルは24時間及び30時間の磁界ばく露後に低下した。共にCdk阻害因子である、p16INK4a及びp21CIP1のタンパク質レベルには、それぞれ1時間及び12時間後、6時間及び12時間後に上昇が認められた。但し、どちらのCdk阻害因子のレベルも、24時間及び30時間のより長時間のばく露後には低下した。
本研究の結果は、ヒト羊水細胞の細胞周期のG1期に対する磁界ばく露の阻害作用を示唆している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。