研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[様々に処理されたラットのマクロファージの食作用活性に対するマイクロ波と低周波磁界の影響] med./bio.

Effects of microwaves and ELF magnetic field on the phagocytic activity of variously treated rat macrophages

掲載誌: Electro Magnetobiol 2001; 20 (2): 177-184

この研究は、ラットマクロファージ食作用活性に対する9450 MHzマイクロ波および超低周波磁界(ELFMF)の影響を調査した。マイクロ波ばく露実験においては、24匹のアルビノWistarラットは、21日間継続して1日1時間のマイクロ波ばく露(2.65 mW/ cm2、SAR = 1.80 W/ kg)を受けた。別の32匹のアルビノWistarラットを4群(1つの対照群、3つのばく露群;各n = 8)に分け、第1ばく露群は、21日間、1日1時間、マイクロ波ばく露を受けた。第2および3ばく露群は、第1群と同様のマイクロ波ばく露の前にそれぞれ、ビタミンEおよびC(150 mg / kg /日)の腹腔内注射を行なった。磁界ばく露実験においては、26匹のアルビノWistarラットを、擬似ばく露群(n = 12)とばく露群(n = 14)に分け、ばく露群は、21日間継続して、1日3時間のELFMF(50 Hz、0.75 mT)ばく露を受けた。すべての実験で、ばく露終了後にラットはケタール麻酔下で屠殺され、単離された肺胞マクロファージ生存率を測定し、ばく露群と擬似ばく露群における測定値の差をMann-Whitney U検定した。その結果、マイクロ波に関しては、ばく露群の食作用活性の方が擬似群のものより高かった;ビタミン投与とともにマイクロ波ばく露した場合、ビタミンC投与の場合のみ、擬似ばく露群との有意差が見られた;ELF MFに関しては、ばく露群の食作用活性の方が擬似群のものより低かったが、有意ではなかった;なお、マイクロ波ばく露群の直腸温は、対照群と比較して有意に高かった、と報告している。

研究目的(著者による)

ビタミンC及びEで処理したラット、ならびに対照群ラットにおけるマクロファージ食作用活性に対する9450MHzのマイクロ波及び超低周波磁界の影響を調査すること。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 9.45 GHz
ばく露時間: 1 h/day for 21 days
  • SAR: 1.8 mW/g mean (whole body) (determined by calorimetic method.)
  • 電力密度: 2.65 mW/cm²
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: 3 h/day for 3 weeks

General information

Rats were divided into four groups: group 1 served as control, group 2 was MW (microwave) exposed, group 3 and 4 were MW exposed and injected with vitamin E (150 mg/Kg/day) and vitamin C 150 mg/kg/day), respectively.

ばく露1

主たる特性
周波数 9.45 GHz
タイプ
  • electromagnetic field
ばく露時間 1 h/day for 21 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 methacrylate cages (20 cm x 10.5 cm x 10 cm) with ventilation holes
ばく露装置の詳細 anechoic chamber (70 cm x 47 cm x 47 cm);
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
SAR 1.8 mW/g mean 測定値 whole body determined by calorimetic method.
電力密度 2.65 mW/cm² - - - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 3 h/day for 3 weeks
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 Methacrylate cages (20 cm x 10.5 cm x 10 cm)
ばく露装置の詳細 2 pairs of circular Helmholtz coils; cages placed between the coils.
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 750 µT unspecified 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

マイクロ波ばく露群の結果は、マイクロ波ビタミンCで追加処理したラット食作用活性を高めることを示した。他のマイクロ波ばく露群及び磁界ばく露群では、食作用活性の上昇は有意ではなかった。マイクロ波ばく露と、マイクロ波ビタミンC処理との比較では、ラット食作用活性の上昇に対してビタミンCが重要な役割を担っているようであることが示された。調査したマイクロ波のパラメータは重要ではなかった。マイクロ波ばく露群の直腸温度は有意に高かった。

研究の種別:

研究助成

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