この研究は、低周波磁界ばく露によるDaudi細胞でのMYC遺伝子発現への影響を調べた。ばく露に用いた60 Hz磁界は、磁束密度12、50、100、または500μT、ばく露時間20、40、または60分間とした。偽陽性に寄与する可能性のある変数を最小とするため、ELF-EMFばく露施設(メリーランド州ロックビル)でばく露実験を実施した。ばく露は、擬似/擬似、ばく露/擬似または擬似/ばく露露で、ブラインド化して実施された。12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(TPA)処理を陽性対照に用いた。全細胞RNAをシングルステップ法により単離した。Daudi細胞の応答性の指標として、ヒトMYC発現をノーザンブロットハイブリダイゼーションにより測定した。β-2-マイクログロブリン(B2M)の発現を内部対照として同時に測定した。その結果、60 Hz磁界ばく露は、いずれのばく露条件下でもDaudi細胞におけるMYC発現を有意に変化させなかった、と報告している。
陽性対照はTPA処理細胞で実施した。
EBV陽性Daudi細胞は、磁界ばく露とウィルス感染とのつながりがあるかどうかを調査するための細胞株として選ばれた。一部の研究者は、myc 発現についての相反する研究結果はEBV感染の有無によって説明できるかもしれないと示唆している。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 20, 40 or 60 min |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | inner exposure chamber 30 cm x 30 cm x 30 cm, double-walled, located within the coil system, insulated and foil-lined to shield from stray electric fields |
ばく露装置の詳細 | two Merritt coil sets nested into each other; the coils with 56 and 80 cm per side |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
Additional information | two additional Helmholtz coils, 90 cm per side each, for the horizontally directed field |
60Hz磁界ばく露は、いずれのばく露条件でも、Daudi細胞の myc 遺伝子発現を有意に変化させなかった。
電磁界ばく露に対する細胞の遺伝子発現の感受性においてEBV感染状態が役割を担っている、という仮説に対する支持は認められなかった。
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