この研究は、ウイルスゲノムの転写および翻訳産物を宿主細胞のそれらと明確に区別できることを利用して、細胞ゲノム内のウイルスゲノムの挙動を観察できるSV-40 DNAを用いて、60Hz正弦波電磁界(EM)の影響を調べた。SV40形質転換ヒト線維芽細胞にばく露した場合、巨大T抗原のウイルス由来mRNAおよびタンパク質のレベル上昇が生じた;この知見は、内因性細胞遺伝子からの転写産物増加を引き起こす既知の条件下で、細胞に組み込まれた外来DNAが、EMの影響を受け得るという証拠である、と報告している。
ウィルスの遺伝子発現のマーカーには、T抗原(ウィルス腫瘍抗原)の測定及び宿主細胞の遺伝子発現との区別が明確に可能であることから、SV40を選択した。加えて、ヒト線維芽細胞におけるSV40由来のDNA複製欠損変異体(いわゆるHAL細胞)の誘導は、寿命を不死にまで延長させることが知られている。
ポリオーマウイルスの欠損株を含むマウス線維芽細胞株を陰性対照とした。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 20 min |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | The coils (13 cm long x 14 cm wide, 8 cm apart) were oriented vertically and generated a horizontal magnetic field. Six flasks were used for each experiment, three of which were exposed and the remaining three served as controls. Control cells were shielded in a µ-metal box and placed in the same incubator. |
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 20 min |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | The solenoid was constructed on on an acrylic tube 10.25 inches long with an inner diameter of 6.75 inches and generated a horizontal magnetic field. The exposure and control flasks were handled the same way as in E1. |
SV40によって変化したヒト線維芽細胞の電磁界ばく露は、ウィルスによってもたらされたT抗原のmRNA及びタンパク質のレベルを高めることが示された。
これらのデータは、宿主細胞に組み込まれた外来DNAが電磁界によって影響されるという証拠を示している。
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